2018年に劇場で見つけた「妊活映画」コレクション

 

悪女/AKUJO [Blu-ray]

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 このネタだけは年内にアップするぞっ

 と数ヶ月前から決意していました(笑)。2018年の個人的ベストなんてもう頭痛くなってくるだけのような気がしてきた。(年間100本以上観てきたので自信をもって年間ベストテン選びますって方々って尊敬しますわ、特に仕事でもない方)コッチは年間100本も観てないのに今年は劇場で相当寝てました私。ああ!今回上げる3本は違いますよ。あと超個人的な「ネタ」として取り上げてるので個別の映画の凄さを予想して期待感が増すか?と言えば・・・多分お役には立てませんゴメンナサイ。

 で、韓国の「悪女」です。残念な事に#me too 流行の中でカンヌあたりの映画祭に出しても評判は取れないでしょうコレじゃ。何しろヒロイン(キム・オクビン)に絡むエスパー伊東似のアポジ(シン・ハギュン)がキチンと家族計画していたら悲劇は起きなかったのでぇ。ファザコン気味の若い娘に強力なモーションかけられてその気になるのはしょうが無いですが、若い娘を殺人マシーンに育てないとか、自分ではこっそりパイプカットしとくとか少しは考えを詰めないと。(最近だと直ぐ元に戻せるそうですよっ)それに思い至ると中盤の結婚式以降の展開で飽きてしまうのね、私っw。

 

 

  上記の「悪女」より続きさらにバカップル度が上がりするとR指定のファミリー映画」なデプー2になります。さすがにコリアン暗黒街のボスと比べるとデプーの人生観や結婚観はポジティブなので、避妊を止めて妊活への誓いを交わすデプー(ライアン・レイノルズ)と恋人ヴァネッサ(モリーナ。バッカリン)は互いの指輪交換ならぬIUDとメタルバッチ(かなんかだと思った)の交換をします。IUDってのは所謂子宮リングのことで銅が精子を避ける効果が有るようなんですが、でもだからと言って映画のように「貞操帯」のような全部金属製の形状はしておりませんから。いくら意識低い系と言われようがカナダ人的にはギャグで通じてもそれ以上に性教育不全の多くの日本人にとっては意味が分かりません。日本のヤンキーの中にはゴムつけなくても忍術とか気合いで避妊する認識程度の馬鹿野郎が未だにたくさん居るのです(哀)。彼女はまず「自分を守る為に」バースコントロールをするのであって、愛する僕の為に貞操帯を外してくれるんだね有り難う・・・って意味だと追加で解説してくれると助かります。そしてゴムだって「俺様の身体を守る為」が第一目的ならないと!(まあヴァネッサの設定ってエロいけど純情なストリッパーってゆうもの凄くイージーでご都合主義的な設定のヒロインなんですが)・・・それこそ「デプー2」のPCの中では最も秀逸な部分になり得るのかもしれないかなと。

 

 

 そして貧しく知識も無いせいで「父になれない」男ってのも世の中には居ます。それがこの映画の主人公の治(リリー・フランキー)。普段は狭い家に家族6人という大偽家族なものですから思うように妻の信代(安藤サクラ)と何にも出来ないのですが、どういうわけだか夫婦二人きりになった夏の昼下がりに久しぶりに妊活に励む。とにかく終わったらいきなり「な、ちゃんと出来ただろう?」って女に聞くのもかなりヘンなんですが、この2人は本能のままにヤっても子供が出来ない。夫と妻のどっちに問題があって不妊なのも解らないし調べない。だいたいそんな難しい事をお互い突き詰めるより妻の信代曰く「他人が捨ててきたものを拾った方が早い」からこんな偽装家族を作ったんだね。一見いかにも古き良き日本映画を新たにやってますよぉシーンなんですが治と信よの2人の台詞のやり取りを注意深く聞いてるともう謎だらけだし「疑惑だらけ」なの。・・・おそらく治と信代は以前に「美人局」みたいなのをやらかしてます。映画では治が信代の旦那を(治の言い分だとDVに遭ってた信代を守る為に)過剰防衛による傷害致死させたとして服役した過去も有るそうなんですが、本当の所はどうだったのか?は映画では語られていない。息子の祥太(城桧吏)だってパチンコ店の駐車場の車両でほったらかしにされていたのを勝手に連れ帰って育ててきたけど、本当の親が赤ん坊の彼に冷たかったかどうかも実は不明。治と信代の夏の昼下がりのシーンはこの男女の底知れない悲しみと底が抜けている部分を描いているから名シーンになりました。治って男は無邪気な分、とんでもない「悪徳」を抱えてるのは間違いないし、だからこそ息子の祥太が万引き家族を破壊してくれて不肖の父親たる彼は何とか救われたのですよ。しかし前作の三度目の殺人といい、今度の「万引き家族」といい、こんな設定を秘めた内容を匂わせておいた上で映画を無理矢理「G指定」で作り倒してしまうセンスはちょっとどうかしていると思います。(もちろん良い意味でw)

 

  すっかり忘れてましたこの映画。この監督の前のヤツフレンチアルプスで起きたこと [DVD]と比べると分かりにくいよね、って思った方もいたのでは?でもコッチが2017年度のカンヌではパルムドール。ちょい難しい分風格が増しています、特にギャグの部分でね。妊活には当たらないのですが主人公のクリスチャン(クレス・バング)とUS人記者(エリザベス・モス)のアバンチュールでの「避妊具を巡る激しいバトル」が中々にミニマムかつみみっちく繰り広げられるのは笑えます。そりゃ女性にとっちゃ途中で勝手にゴム取って挿入する野郎は許せんし厳しく監視しなきゃいけませんが、そうかと言って勢い余ってどこまでヤルと安心出来るのかテンパってしまうエリザベス・モスはスゴかったです。彼女の宿泊する部屋に何故だかチンバンジーが居て、その後美術館主催のパーティーでゴリラの白熱したパフォーマンス繰り広げた男性(テリー・ノタリー)のシーンも合わせて見物。やっぱ北欧の市民だとて今現在最も洗練された「文明圏に生きてる」て意識が強いのかしらん?人間とサルとの対比にこだわるのが、北欧に生きる人々が抱えるの自己欺瞞の不安を表しているのかもしれません。テリー・ノタリーという方は役者というより猿の惑星 トリロジーBOX (8枚組)[4K ULTRA HD+3D+2Dブルーレイ] [Blu-ray]のシリーズでも活躍し、主に動物の形態の演技では第一人者というプロフェッショナルだそうです。彼のゴリラ演技になんだか怒りの感情を見て取った私は。アレはどういう解釈で監督とノタリーさんが話合ったんだろうと印象に残りました。最後は妊活とは関係無い話になっちゃった。でもひょっとしたらあれはゴリラの発情と求愛の演技だったのやもしれぬ。(笑)

 

 

 

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