緑の女 6 「ちはやふる」の広瀬すず他

 

ちはやふる 完全版【初回生産限定】 [Blu-ray]

ちはやふる 完全版【初回生産限定】 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2018/10/03
  • メディア: Blu-ray
 

 日本の四季を映す「緑」の映画

 もちろんここ数年の日本において青春映画の代表作であることは間違いないだろうし、ドラマチックな展開が魅力なのは当然なんですが、私的にはこの映画の色彩感覚のオリジナリティが傑出しているのに終始驚き感嘆した映画シリーズなんで、そこんとこを推したいのっ。日本映画ではcorona渦が起きた2020年までは高校生を主人公にした映画が数々のヒットを飛ばし、潜在的な映画の観客動員数を上げたり、主役級の役者や映画監督らの世代交代を後押ししてきた側面があります。その中でも「ちはやふる」シリーズは主役の広瀬すずや野村修平、松岡美優だけでなくTV、映画でも現在活躍中の若者たち(新田真剣佑上白石萌音矢本悠馬森永悠希、清原果耶ら)が本格的に顔見せになった作品と云って良いのではないでしょうか。で、「ちはやふる」にはそんな若者たちのキャラクターを表す為に何故だかイメージカラーのようなものが存在し、ロケ地撮影の風景と共に演出のポイントになっていました。私自身、映画鑑賞の記憶を振り返るとまるで呉服屋の娘である大江湊(上白石萌音)ちゃんの執念が全開したような錯覚を覚えるほどです。

 

綾瀬千早のイメージカラーは何と言っても「赤」

熱血かるた少女であるヒロイン千早(広瀬すず)のイメージカラーは赤、それも朱赤です。といってもちはやふる 上の句 [DVD]でも高校競技かるた全国大会の際に湊さんから「かるた大会でかるた部チームのユニフォームを着物と袴にして欲しい」というリクエストを聞き入れて彼女にかるた部全員がコーディネートされてしまったからではありますが。湊ちゃんのイメージカラーは卵の黄身みたいな黄色とえんじ色かな?彼女たちは二人とも実に日本の女学生って感じがします、着物の袴の色がえんじとかえび茶が多かったせいか、洋服が当たり前になった21世紀の女子高校生のジャージの色もえんじとかえび茶を踏襲したものが学校が多くなりがちです・・・なんで極めてリアルな表現なんですが、それを日本の色彩文化の豊かさとして提示しているのが新鮮に映りました。男子だと綿谷新(新田真剣佑)が白、西田優征(矢本悠馬)がまっ黄色、駒野勉(森永悠希)が青、そして千早のカルタの最大ライバル若宮詩織(松岡美優)は紫という具合です。んで、真島太一のイメージカラーは映画ではなんだか少しややこしい感じで演出されております。そしてついでに言うと漫画原作と違って真島太一こそ主人公として映画三部作はクローズアップされております。私は映画の上の句を観た段階で、映像はともかくお話の構成は1980年代のハリウッドの青春学園映画みたいだと思いました。

真島太一のイメージカラーは?

真島太一のイメージカラーも映画ポスターなどで見た限りでは「青」でよいだろうとは思われるのですが、何故だか太一に和服のイメージがあまりにも無い故に今イチ決まっていない気がします。敢えて言えば競技カルタ部のTシャツの浅黄色とかちはやふる ―結び― 通常版 Blu-ray&DVDセットで予備校講師でカルタ王の周防久志(賀来賢人)に太一がまとわりついていた時に着ていたダンガリーシャツの青のイメージかもしれません。太一の場合はイメージカラーというより「ちはやふる」全体を通して高校入学時に一番の成績だったという彼の矜持を示す為なのか、部活時の際着用しているTシャツのロゴが常に「Harvard」であったり「Hawaii University」だったのが強烈に印象づけられます。振り返ると机クンとあだ名された駒野くんはカルタ部に入部された時もコワくてたまらなかった気持ちは案外と深刻で、太一クンには気を遣っていたのかしらんとか、いろいろ想像してしまいます。太一くんにアドバイスする原田先生(國村隼)もそりゃあ悩むだろうなあ・・・って細かく考え始めるときりが無いです。新くんの悩みと比べるドラマチックで家族間の継承という側面が薄い所為もあるのに、よくここまでドラマ引っ張っていけたなあって思いました。家族間だとか世代間の継承、よりもさらに深く説得力のある青年の悩みを上手く描ける事が今までの日本の映画にはなかったんですが、今後はより観客に求められていくだろうなあ、大変・・・と考えると辛いっ。

映画館で観賞した時の思い出

以前にも書いたんですが、「上の句」を近所のシネコンで鑑賞した時に劇場は春休みの時期でもあり若いヒト達が大勢来ていて、比較的前の席でもチケットを取った時点では私の隣席は一人分しか空いていませんでした。そしたら映画始まる直前近くに一人男子中学生が私のようなオバサンとOLさんの二人連れの間の席に挟まって前めりに映画を見始めた姿に驚いたものです。彼はおそらくは映画を観るのは2回目以降と思われ、ひと目も気にせず映画に熱中していたと思われます。私自身は「上の句」ではストーリー以上にカルタ部が体力作りの為に登山する山の緑や初夏の山頂の霞がかった景色にかなりの感動を覚えまして競技カルタの熱血シーンや湊ちゃんの語る、日本の和歌に託した恋心や感情の起伏、それがパワーを産み出し言霊が可視化される瞬間を映画がかつてなくドラマティックに演出されていったのに感服しました。その時の男子中学生もかなり成長したでしょうから、熱血シーンや学園青春部分だけでなく、新緑に浮かぶ赤い鳥居だとか、福井の夕焼けのシーンだとか、日本の風景までが意図的にドラマティックに登場している(ドラマティックに・・・具体的にいえば風景が季節の移り変わりや土地の違いを明確にし、物語の時間や登場人物の心象風景まで観客に提示するという事です。上の句とちはやふる-下の句-は特にそう、最後の完結編はロケが東京が中心という以前に完全に太一のドラマに昇華している・・・別にそれは不満じゃないけど。)部分も堪能して立派な映画マニアになってくれることを期待しております。

 

 

 

トンデモ悪女伝説⑨ 「Wの悲劇」の薬師丸ひろ子

 

Wの悲劇 角川映画 THE BEST [Blu-ray]

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 80年代、特にバブル経済期の女の子の恋愛観を形成した映画

劇場公開が1985年で東京を中心として首都圏内の地価が高騰し始めた時代の日本映画で角川映画としても絶頂期を迎えていた時期だと思います。昭和の角川映画とは一体何だったのか?を考えると意見はいろいろ分かれるとは思いますが、もう一度男女のカップルで観に行ける日本映画を目指してたのかなぁ?って気がしてきました。もう少し幅広く言えば昭和30年代にあったような家族連れも呼べる映画とか。そうすると必然的に当時のTVドラマに近い路線を目指すようになります。んで角川映画と言っても配給だけではなく実質的には東映東宝等と組んで展開していたんで、日本映画の王道を行く為に一貫してサポートの役割を果たしていたって事になりますが。

 と云うワケで、この映画の薬師丸ひろ子が演じた舞台女優志望の20過ぎの女の子の登場は映画界のみならず、社会的にも大きなターニングポイントになっていると私考え始めています。

職場は舞台/ステージ、働く女性は皆「女優」

そして同時に日本の女優は「ありゃ外見は女だけど中身は男みたいなもん」といわれていたのが1980年中盤の男女雇用均等法前後の日本の社会の現状でした。ちなみに「いい女は女優たれ」と華麗にエレガントに強かに・・・とハッパを掛けていたのが当時の広告業界女性誌で、私の亡くなったシナリオの師匠を含め当時の映画ドラマ界の人々は女優なんてのは並みの男以上に働いて一人前で、「女優さんたちは夫じゃなくてシュフが欲しいんだよ」などと説明しておられました。そのうちに80年代後半にバラエティーアイドルと言われた山瀬まみさんが熱愛発覚と報じられた際に「交際発覚も芸の肥やし」と発言して話題になったりと・・・とにかく若い娘たちは徹底的に自分主導で恋愛やセックス体験を済まして果敢に大人になって世の中を渡っていかなければならない、んでそれをあばずれだの何だの非難するべきではないし、法律を犯しているのでなければ若い女性の自己責任に任せる、というのがコンセンサスになりました。んで「Wの悲劇」の映画の内容といおうか作品の骨子はほぼ上記の通りになっています、女性に関してはです。で、そうした若い女性たちのあり方を男たるのも甘受せよっ・・・つうか甘受せざるを得ないのよ残念だけどという主に男性側の悲しみが同時に描かれているので今どきの若者には観ていては辛いものがあるのやもしれません、でも観といてソンはない映画、当然!!よっ。

今でもTV等でよく観る方々の若い頃を観ると衝撃が走るかも

少し前にTVで「Wの悲劇」をやっていて有名なファーストシーンをなにげなく観ていたのですが、主人公の劇団研生の和辻摩子(薬師丸ひろ子)と先輩で劇団の看板俳優である五代淳(三田村邦彦)との逢瀬と情事が、地方公演で訪れた先のヨーロッ教会かと見紛う仕様の美術館で行われたというのが明らかにされる・・・というくだりに改めて震撼しました。今の私があれを観ると、その後の摩子の五代さんへの態度と五代さんの摩子さんに対するいらだちの態度に関しての見方がかなり変わってきてしまうのです。10代の時に「Wの悲劇」を観た際には五代さんが超絶いけすかないセクハラなプレイボーイにしか思えなかったのですが、五代さんが独身で一回り年齢が下の女の子にがちで振り回されている姿に・・・現在ではつい同情の念が沸いてしまいます。で、じゃあ摩子さんはもの凄いわがままなのかというと、彼女は他の劇団員(特に男性の劇団員)から「どうせ彼女処女だもんな」という相当な侮蔑の目線で評されている描写もあり、彼女自身が強力な競争社会に身を投じ、女優としての自己実現やシアワセの為にかなりの工夫とど根性で五代さんにアタックしたと推測がすぐになされるので、観客としても摩子さんを責めきれないのでありました。

それに比べれば五代さんの後に登場する森口昭夫(世良公則)との出会いと恋愛はもっと森口さんにとってはラッキーだったし、森口さんの言動の方が些か無神経過ぎないかっ?て気がしてます。「アタシ、女優なんだから」ってそりゃあ言われるわさ。

摩子の摩は磨かれる原石の摩、周囲との摩擦を呼ぶ摩

今の21世紀をむかえた時期だから気がつく視点でこの映画を鑑賞し直すと、他にも細かい台詞やシーンのてんこもりです。1985年の日本の文化、いわゆるソフトパワー業界の縄張り意識のものすごさ、各ジャンルのリーダー集団の人々の他のジャンルに対する偏見の凄さが伝わってくる、思わず時代の人々の意識の移り変わりだとかポリコレなどを考えるともうコレは不可だからやっちゃ駄目という自分への戒めとして心得ておこうと思います。んで、よく考えてみたら私は「Wの悲劇」を観た時点で大学に進学していまして大学の図書館だとか教科書の著者の南博先生という専門課程の学問では大御所といわれるお方を存じ上げていてもよかったのですが・・・まったくナニも知らずに看板女優の羽鳥翔(三田佳子)が劇団の先輩女優(南美江)に向かって「女、使いませんでしたか?」とゆう恐ろしい台詞をいっているシーンをただぼんやり観ておりました。今思うと当時の芸能スキャンダルとか不倫の噂だとかをそのまんま当てこすって芝居にする日本の芸能界の風習というか事情をよく知らなかったので・・・苗字も一緒なのに正式の夫婦と認めずに長年不倫略奪カップルって言い張る世間の一部にいる意地悪な人々って酷いなって思います。それから実はとても大事なことですが、夏木静子の傑作推理小説である筈のWの悲劇 (光文社文庫)は映画の中の摩子さんが主演を努める劇中劇として登場するのであって原作を映画化するというよりタイトル借りただけであり、極めつきは五代の「あんなのおばちゃん達が観る芝居ですよ」という暴言ともいえる台詞の存在ですね。いかに当時の日本のエンターテイメント界、日本の文化人達のセクト主義が増大しきっていてどいつもこいつも図々しいやつらばっかりだったのかと呆れてしまいます。おかげで私は二回も同じような事書いてしまいました。それでも映画はやっぱり面白いので気に入ったヒトはシナリオWの悲劇 (角川文庫 緑 445-99)を小説とは別物として読んでもいいかも。それにしても後にTVの二時間推理ドラマで「Wの悲劇」を挑戦するスタッフたちは苦労したのではと心配になっちゃったよなあ。昨今では日本人以外のコンテンツ消費者も「推理劇Wの悲劇の悲劇」の経緯を知る事があったりするんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

しょくぎょうふじんの映画 10 「隠し剣 鬼の爪」の松たか子と高島礼子

 

隠し剣 鬼の爪 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • 発売日: 2010/12/23
  • メディア: Blu-ray
 

山田洋次監督の本当の凄さは、思いきりAMERICAN♡

 山田洋次によるたそがれ清兵衛 [Blu-ray]の大ヒットは日本映画にとっては快挙なのかもしれません、だけど劇場公開当時の私にとっては同人活動していたシナリオ修行時代のデスゲームの思い出、苦痛の方がより忘れられません。おかげで私はホントに藤沢周平がキライになりそうになったのよっ。あと藤沢周平の代表作と評判の蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD](題名を一時忘れてしまい検索にも登場せず呆然とした時がありました。記憶にあるのは確か宝塚のどっかの組で劇化されたなよなって事だけを頼りにチャレンジしたらアマゾンから出てきた)を何よりも映像化しやすいのにってコメントを読んだ際にわき出た私自身の違和感が、より山田洋次監督への個人的なリスペクトへ繋がってしまうのでした。後に東山紀之主演で映画化された小川の辺 【初回限定版】 [DVD]てゆう短編小説を一時間のTVドラマで脚色しろってシナリオの師匠からのリクエストで時代劇研究会の同人メンバーが一斉に脚本にしたんですけど、そりゃあキツかったのよ😥。

永久就職としての結婚、解雇される嫁とお家再建にかける嫁

「隠し剣鬼の爪」も藤沢周平の短編を3本選択して映画にしています。で、藤沢周平の連作短編シリーズである「海坂藩」ものとはあくまでも別個の3本なのも「たそがれ清兵衛」とは違う点です。ちなみに亡くなった時代研での私の師匠はかの巨匠山田洋次に対しても容赦なく駄目だしをしていて(若干年齢が年上だった事と山田監督自身が幼少期は大陸で育って引き上げてきた経験有り等の経歴をある程度知った上での推論もあったと思いますが)「たそがれ清兵衛」の次作である「隠し剣鬼の爪」に関してはテーマ主義に走っていて映画の結末を逆算して脚本を構成したのが失敗という判断でありました。その師匠の発言時には私は「隠し剣」の方を観ていなかったんでふーんと感じただけでしたが、ある日TVの放映(地上波かCS放送ノーカット版かは忘れたんですけど)で観て、私は「たそがれ清兵衛」よか「隠し剣鬼の爪」方が好きだし、たそがれ清兵衛で不満だった所が払拭されてんじゃんかって感想を強く持ちました。特に高島礼子が演じた侍の妻の役の描き方とかが凄いのさ、びっくり。ヒロインの百姓出身のきえ(松たか子)が片岡宗蔵(永瀬正敏)の実家に嫁入り修行していた後に商家へ嫁ぎ、嫁ぎ先から「使えない嫁」として追い出される姿と対比されることにより日本人の結婚観のある種の典型が垣間見られるのも興味深いです・・・不快でも一見の価値はあります。その点でも「だそがれ清兵衛」より出来は上だと思う。

観る人には好きな香り選んでぇ~WOW WOW♫

 昭和の映画脚本家たちにとっての「テーマ主義」とは主に結末を決めてから逆算して脚本を作る事であって(しかも原作小説の結末に忠実とも一切関係なくやらねばならなくなる事態に陥るが当時の映画製作には多かった)、いわゆるGlobalな基準のテーマ主義とは少し違います。藤沢周平の海坂藩サーガともいうべき秘剣シリーズとそうでない短編小説ともごっちゃになりやすい事も有り、主人公片岡のラストの判断は師匠にはそうとう納得いかなかったのかも。ちなみに師匠は自分がある雄藩の家老職の子孫だったせいか、武士の身分を捨てるという主人公の判断に嫌悪感といおうか、無責任な行動だと考えたみたい。けどそこのところが私の解釈だと、片岡宗蔵って江戸期のスパイ及び謀殺指命を受けた者で彼の決断はあくまでもサバイバル活動じゃないかと感じたもんです、重厚でリアルなスパイ映画時代劇で良いんじゃないのかなあ?駄目なのかって鑑賞した直後に思いました。私には「たそがれ清兵衛」はちょっとだけ野蛮な西部劇で「隠し剣鬼の爪」の方はもう少し都会的なスパイものの印象なんですよね。日本の時代劇にはハリウッド映画並みのプログラムピクチャーに該当する傾向がありまして、山田洋二監督の藤沢周平原作映画にはその流れがキチンとあります。他の藤沢周平時代劇映画でもその傾向がある作品もあろうこととは思います、が・・・そういうのは嫌なのキライってタイプの日本の観客に合わせた映画が多かった印象があります、詳しく映画観ていないので印象だけです、印象っ。

 出かけるわぁ~コンサートにぃ♫今自由に、ヴァケイショ~ン♫

私の子供から思春期、青年期の時代で(1970年~90年代半ばにかけて)山田洋二監督の映画というと、寅さんシリーズで一人勝ちというイメージが強かったです・・・といおうか振り返って考えると驚異的ですらあります。でも正直どんな映画なのか、未だに私にはよく判りません。あと、寅さんって当初はTVドラマで、妹のさくら役は長山藍子さんだったんです。現在私の主に年下世代の男性の寅さんシリーズマニアが増えているそうなんですが、特に1980年代の若者層の寅さんシリーズの嫌い方を記憶している人間には時代の流れを感じます。1970年代に家族で寅さん映画を映画館で観に行っていた人々がいましたが、そのパワーメントは結構スゴかったんだね。

 

 

 

2020年に劇場で観た映画 ④

 

パブリック 図書館の奇跡(字幕版)

パブリック 図書館の奇跡(字幕版)

  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: Prime Video
 

 想定外のハリウッドらしいプログラムピクチャー

王道の映画です、王道のヒーローもの。エミリオ・エステベスが演じた主人公もおそらくは実在の人物がモデルで映画の内容も大方は事実に沿って製作されているのはと推察しています。彼自身が監督と脚本を兼ねているのも「暴露してやる」意図からくるものでは?と考えてしまう。なんで映画の面白さはかなりあるのにトロント映画祭に出品しても特にナニも受賞していない結果なのは、映画祭で賞レースに載ったら危険過ぎるからな判断もあったのかもしれません。ナニがどうってワケじゃないかど2020年度のオスカーの結果がいまひとつ面白くない方々には特にお奨めしたいです。(例えば最近のハリウッド映画ではミナリ [Blu-ray]が一番面白かったじゃん何で助演女優賞だけなのっ、とか無茶な事を主張している人とかね)

 

なので、主なストーリー紹介は一切控えさせていただきますが、映画の冒頭に図書館司書のスチュアート(エミリオ・エステベス)が部下のマイラ(ジェナ・マローン)に対して猛烈なまでに遅刻に注意する、そしてマイラは言い訳するばかりで決して上司の叱責に怒りを示さない、むしろ得心する態度なのは何故なのか?そして彼女は母親と二人暮らしの日常をスチュアートや同僚にひたすら披露し決して自家用車で通勤しようとしないのは何故?・・・など21世紀において少数派市民を守る行政の仕事人の矜持とはどういう行動が必要かが詰まっている芝居が続くので、そこが見所なの、しかもクライマックスに繋がります、とだけ推したいと思います。

 

 私は鑑賞後にグッタリ、子供たちは皆元気

そしてお父さんたちは煉獄さんに熱い共感を覚える・・・そんな姿を観てさらに疲労感が増した私なのでした。自らを「柱」や「竈」になぞらえるヒーロー達、そして彼らは家父長制度を遵守し燃え尽きるまで闘うのみたいに云われて嬉しい男性たちの気持ちが私にはイマひとつ解りません。特に漫画原作者が女性と知った時点で、(漫画家である)世代の若いお嬢さんの感覚は空恐ろしいと感じてしまいました。しかも映画自体は物語の構成にもGrotesque&Globalな感覚に満ちていて全米でも世界中でも莫大な興行収入があるという事実がコワい。・・・でも私、ついラスト近く陽が昇ろうとするや逃げ出す敵側の鬼に対して本気で卑怯な悪めすげぇ頭に来た💢って思って観てたのできっとかなり力入れて観ていたとは思います。

 といわけで、2020年度に映画館で私が鑑賞した映画の紹介は終です、結構本数みていた気がします。

 

        

2020年に劇場で観た映画 ③

 

 アカデミーは作品賞だけじゃないんだ!!

そして純粋に映画一本の中で「物語よりもAnother somethingに熱狂する人々」の為にも存在するのですよ。「フォードvsフェラーリ」はそんな人達の為のアカデミー賞受賞作。でも物語も一級だし、ヒーロー好きの人にも楽しめる。車好きのお父さんと息子さんには見所が一杯です。映画の舞台1960年の社会風俗、ファッションが好きな方にも楽しめますが自家用車のデザインや20世紀の自動車開発の歴史に詳しくないと映画の進行の途中で混乱して眼が回るので、お洋服のマニアな男女は少し注意しておきましょう。私は息子と一緒にcorona渦の中の4月に観に行きました。洋服マニアな私は当然のごとく終盤までにやっと車開発の歴史的背景がざっくり理解できたぐらい、息子は普通にヒーロー映画として楽しく鑑賞、私たちの前に座って嬉しそうに観ていた団塊の世代の自動車マニアなシニア男性達は大満足して帰って行き・・・その姿に私は震撼しました。

 

 

 

頑張れSonic!!でもジム・キャリーは手強い

一言で言うとそれで終わっちゃう映画です、だけどもそれでもちろん面白いのよっ。じゃあ、なんでSonicを応援したくなるかというと・・・がラストではっきり解るのが良かった。それって娯楽作としては脚本がしっかりしているということでも在るからね、馬鹿にしちゃいけません。私のような昔っからのジム・キャリーのファンには相変わらずの躰の切れと言動の悪さのキレっぷりに安心したり・・・ひょっとしたら一抹の不安を覚える方もいるやもしれませんが、お子さんと一緒に映画を楽しめている私もアナタもジム・キャリーcoronaPandemicの中で生活しててもきっとシアワセなんだろうとと思います。

 

さすがに2020年の夏は鬱屈することも多くて

9月頃かな?一人カラオケ店で歌いまくっている最中にカラオケスクリーンに予告編が登場して、「ギガ愛してる」「ニセナナコ」等の言葉/ワードが馬鹿すぎる、下らなすぎる(笑)と一人でゲラゲラ笑ってしまい、その勢いで近所のシネコンへ観に行ってしまいました。もちろん一人で観に行きました、それから私はお酒はほとんど飲まないタイプです。観に行ったら意外とシリアスな展開もあったり、「ギガ愛してる」は「戯画愛してる」という真摯なクリエーターの気持ちでもあるのだなと気がついて自分の日頃のふざけた態度を少し反省しました。で、秋口は家庭で色々あったので年末まで2本しか劇場まで行って観ることはできませんでした。なので次もやります。

 

2020年に劇場で観た映画 ②

 

They Shall Not Grow Old [Blu-ray]

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  • 発売日: 2019/05/07
  • メディア: Blu-ray
 

 邦題は「彼らは生きていた」ですが・・・

 

 

原題はご覧の通り「彼らは老いることがない」です。それは何故か?というのは第一次大戦で英国とドイツの10代から20代までの青年たちが戦場で死闘を繰り広げた経緯を描いたドキュメンタリー映画の内容を見ていただけるとお解りなると思います。監督はロード・オブ・ザ・リング [Blu-ray]のシリーズで有名なピーター・ジャクソンですが、私の場合、観賞する気になったのはSNSでたまたま映画の予告を観て涙が流れる程感動したからだったのです。それなのに劇場では彼ら若き兵士たちの生き様のあまりの過酷さと呆れるほどの活躍ぶりに涙腺が乾ききるほどでした、それほどに彼らはもの凄いのよっ。

 

 

 

 

ヲタクに恋は難しい

ヲタクに恋は難しい

  • 発売日: 2020/08/19
  • メディア: Prime Video
 

 〇〇が無残でなければ・・・

かなり面白かったはずなのに、と(特に会社勤務経験のある)日本映画ファンは感じることでしょう。2010年代以降における20代会社員事情については仕事の手順、研修のあり方など丁寧に描かれており、ひと頃のブラック企業状態ではもはや経営自体が困難であるほどの人手不足や人材不足につき転職についても積極的である日本企業もあるんだよってことを感じて、親としては若干安心した部分もありました。ちなみに赤字の副題にある〇〇の部分は恋愛シーン、ヲタクの男女の恋愛の事情や映画全体の構成の事を指したものではありません、気になる方は是非ご覧になってチェックしていただきたいと思います。

 

 

パラサイト 半地下の家族 [Blu-ray]

パラサイト 半地下の家族 [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/07/22
  • メディア: Blu-ray
 

 韓国初のアカデミー作品賞!!報道に安心して鑑賞したのに・・・

↑も当初はSNSでの発信が多く、公開を楽しみにしていたのですが2020年の1月に東京の某所に飾ってあった映画の立て看板がまるで昆虫の家族のように感じられ、そのあまりのコワさにすっかり怯えてしまい封切り早々には観に行けませんでした。2月のアカデミー賞発表後にようやく観に行き、とても面白くて何だかホッとしました。何でホッとしたのか?というと、やっぱりNorth Korean Republic People/北朝鮮民共和国の人々の可能性と限界について映画の観客にも分かり安く伝わってきたって部分でしょうか。しかし私は日本に住んでいるものですからソン・ガンホ演じる主人公の家族の面々と同等、いや同等以上にコワくて仕方が無い気もしますが・・・でも皆それぞれ頑張ろう、あんまり無理せずに。で、今年(2021年)の米アカデミー賞は2ヶ月程度発表が遅れるんでしたっけ?ゴールデングローブ賞の方はまだみたいだよね。

 

 

2020年に劇場で見た映画 ①

 

 

 corona下の日本でも劇場で観に行った映画の話をするよ

そして本年(2021年度)には配信でも新作映画を観られる様に環境を整えることに尽力したいと思います・・・アマゾンとかネットフリックスとか。金銭的なだけでなく、なかなか忙しかったり自宅のAV機器やネット状況もあるのさ、言い訳だけど、そういう状況在るにはある。それに2019年年末年始にかけて私は体調を大きく崩してして映画見に行くにもキツかった。↑の映画は息子と冬休みに観に行きましたが、アナの冒険が身につまされ過ぎたといおうか「良かったアナも私も死なずに氷の海から出て来られた」とホッと息をつく瞬間がありました。ラストのアナの姿に晩婚で出産するのも大変だけどその手の女性は体力もパワーアップするから頑張れみたいなメッセージを勝手に受け取った私。

 

 

 「アナ2」にひき続き鑑賞したのですが、体調が戻りきらなかったせいか、このままでは私はヒロインのレイと一緒に生きて戻れないのでは?と映画の後半になって目が回りそうになりました・・・隣の席の息子が心配したくらいです。最後の最後にレイが生まれ故郷に戻ったのもきっと結婚前にゆっくり準備でもしかったんだろうな・・・と納得してしまいました。で、次回のSWシリーズでは帝国側の悪のトップがどうやら金髪の美女っぽいとの予告もあったよ。

 

劇場版 ダウントン・アビー (吹替版)

劇場版 ダウントン・アビー (吹替版)

  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: Prime Video
 

劇場版はTVシリーズのおなじみのキャラクターももちろん登場する、別個のお話でまさにダウントンアビーのアナザーワールドでした。映画観て驚いたのは第一次大戦直前の某国皇太子襲撃未遂事件のエピソード、サラエボ事件大津事件に限らずこの時期はヨーロッパ各国の王族、皇族への襲撃事件が多々あったんだと改めて気が付きました。劇場はTVドラマ版のファンみたいな、そしてファンじゃなかったおばさまが多くいらしていましたが、皆映画を楽しんでいました。んで何故だか途中で気持ち悪くなった様子で席を立った若い女性客がいて驚きました、日本でcorona渦が始まる直前の一月の中旬の頃です。ちょうどその時点だと私自身は三半規管がかなりおかしいような気がしましたが、熱や風邪の症状は一切ありませんでした。

 

キャッツ [Blu-ray]

キャッツ [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: Blu-ray
 

 「CATS」は冒頭から21世紀現在におけるロンドンの猫の生態を紹介するエピソードがめまぐるしく続きます。大英帝国の遺産と植民地支配の影響でここまで猫ちゃん事情が拗れているとは知りませんでした。日本の猫事情はつい最近でもペルシャ猫やアメリカンショートヘアもぐっちゃぐっちゃ・・日本の三毛猫は海外で大事に飼われているという話も聞いた事あるのにほったらかし状態です。かたや自由恋愛もままならない傾向があるロンドンの猫たち、そりゃ宇宙にも行きたくなるやもしれませんね。(猫たち行きたいって思ってるよきっと、多分、愛護団体の人たちもご一考下さい)

2020年はcoronaのおかげで観に行った映画もあんまり無いんですが、今回はここまでで、次に続きたいと思います。でも鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐 (ジャンプコミックスDIGITAL)の劇場映画は確認したところ、2020年の11月に観ていたよ!齢50代には月日の経つのあっという間です。