2019年に劇場で見た日本の実写映画3本の気になった方々 

 

凪待ち 豪華版 Blu-ray

凪待ち 豪華版 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2020/03/03
  • メディア: Blu-ray
 

 とにかくいろんな事を考えさせられましたが

 個人的にはここ数年の日本のアニメ以外の映画ではほぼトップクラスの脚本ではないかと感じています。演出もそれを十二分に活かしていることは間違いありません。もしこの映画に何か今の社会を映すリアリティを今ひとつ感じない人々がいるとするならば、世代間の違いや都市と地方の違いといった面、ギャンブル依存症といった特殊な人々の実情とそれらを取り巻く現実の実態(私自身は香取眞吾クン?の演技も含めて非常にリアルな表現だと感心しました)に興味が無いもしくは嫌悪感のみのタイプの方達にはウケない映画だということなのでしょう。しかしながらそれでも尚の事気になるのは香取クンに追っかけられた、地元の賭け場の仕事しているお兄さん役の人があまりにも「ゲロ」を吐きすぎなのではという驚きでありました。何故あそこまで吐くっ、演出の仕込みであれほど吐ける筈もなければ熱演のあまり食事してわざわざ吐いたとしても、やり過ぎ・・・とにかく皆さん躰には気をつけてね。

 

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小説 ホットギミック ガールミーツボーイ (小学館文庫)
 

DVD早く出ないかなっ

 山戸結希監督の映画はいつか長い文章で書きたいなと思っているんですが、どう書いて良いか判らないところが正直有ります。それに私のようなここ数年久しぶりにシナリオを書こうとして城戸賞に応募しているだけの50過ぎの専業主婦の映画ファンが女性監督の映画に対して評価が甘いとは(男性陣からはともかくとして)自分自身では思ってません。ただ山戸結希監督作品がひたすら凄いと思うのは乃木坂46堀未央奈を始め清水尋也、間宮祥太郎といった人気若手俳優陣がまるで自主製作映画に出てくる熱血な無名の役者にしか見えないという事と主人公初(掘未央奈)の幼なじみで雑誌モデルの小田切梓(板垣瑞生)の芸能事務所のマネージャーを演じる吉岡里帆さんの圧倒的な働く女性としてのリアリティに溢れた演技が登場シーンの少なさにも関わらず強烈な印象に残るということです。吉岡里帆さんはこの後すぐに初主演作公開が控えていたことも劇場予告で告知されていたので、なんだかとても心配なってしまいそのサスペンス映画を劇場で鑑賞する気が失せてしまったくらい。とにかくこの映画にいろいろ関わってる方達もあまり突っ走らないでね!特に吉岡里帆さーんっ。

 

旅のおわり世界のはじまり [Blu-ray]

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 相変わらず「何かが」とんでもないのが黒沢清監督の映画

 そういや今回取り上げた3本とも2019年の7月。日本映画の場合は8月過ぎまででその年の日本映画の傾向が何となく判ってしまうと思うのは私の気のせいでしょうか。(そして現在夏休みに入ると途端に1人で劇場へ行く暇が無くなってしまうのだ)「旅のおわり世界のはじまり」はテアトル新宿へ観に行って、隣席のマダムが「ウズベキスタンの良さが全く出ていない」と呟いていらっしゃったのが少しコワかったです。そう、日本だけでなくウズベキスタンカタール(何故かカタールなの)合作映画という体裁ですが観光映画として観るとあまりに過激というか何というか・・・とりあえず主演の前田敦子さんの「愛の賛歌」は聞けますし、彼女の周囲を取り巻く役者陣(染谷将太加瀬亮柄本時生、他)もさらっとしているようで、奥に見えるささやかな確執や意見の衝突がきちんと描かれてて見応えあります。んであまりにもの凄いのが「文化や文明の違う人々のリアクションに日本人達がビビりまくる、(そしてウズベキスタンの人々も日本人、特に前田敦子の振るまいに恐れおののく)でありましてその姿にショックを受ける観客もいたのではないでしょうか。前作散歩する侵略者が公開された時には地上波TVで日本のコメディアンのシソンヌによる「やたらポジティブな引きこもり青年のコント」というのが登場したらしいんですが、今回の「旅のおわり・・」でも人気TV番組「世界ふしぎ発見」で前田敦子さんがゲストに登場するだけではなく、いきなり今まで女性中心だったレポーターに若い男性が登場したり、MC草野仁氏がわざわざ中央アジアの国でグルメレポートをしたりと・・なんだかもの凄い騒ぎになっているので私はそっちにもビビりました。サブMCになった岡田さんが一番冷静な対応しているのでは、というくらい「もう少し落ち着いて楽に行こうよ」って思ったもんね。ちなみに↑の映画のラストは、もうあらかたトラブルが落ち着いて非常にリラックスした前田敦子さん、終わるんですがね。