トンデモ悪女伝説⑨ 「Wの悲劇」の薬師丸ひろ子

 

Wの悲劇 角川映画 THE BEST [Blu-ray]

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 80年代、特にバブル経済期の女の子の恋愛観を形成した映画

劇場公開が1985年で東京を中心として首都圏内の地価が高騰し始めた時代の日本映画で角川映画としても絶頂期を迎えていた時期だと思います。昭和の角川映画とは一体何だったのか?を考えると意見はいろいろ分かれるとは思いますが、もう一度男女のカップルで観に行ける日本映画を目指してたのかなぁ?って気がしてきました。もう少し幅広く言えば昭和30年代にあったような家族連れも呼べる映画とか。そうすると必然的に当時のTVドラマに近い路線を目指すようになります。んで角川映画と言っても配給だけではなく実質的には東映東宝等と組んで展開していたんで、日本映画の王道を行く為に一貫してサポートの役割を果たしていたって事になりますが。

 と云うワケで、この映画の薬師丸ひろ子が演じた舞台女優志望の20過ぎの女の子の登場は映画界のみならず、社会的にも大きなターニングポイントになっていると私考え始めています。

職場は舞台/ステージ、働く女性は皆「女優」

そして同時に日本の女優は「ありゃ外見は女だけど中身は男みたいなもん」といわれていたのが1980年中盤の男女雇用均等法前後の日本の社会の現状でした。ちなみに「いい女は女優たれ」と華麗にエレガントに強かに・・・とハッパを掛けていたのが当時の広告業界女性誌で、私の亡くなったシナリオの師匠を含め当時の映画ドラマ界の人々は女優なんてのは並みの男以上に働いて一人前で、「女優さんたちは夫じゃなくてシュフが欲しいんだよ」などと説明しておられました。そのうちに80年代後半にバラエティーアイドルと言われた山瀬まみさんが熱愛発覚と報じられた際に「交際発覚も芸の肥やし」と発言して話題になったりと・・・とにかく若い娘たちは徹底的に自分主導で恋愛やセックス体験を済まして果敢に大人になって世の中を渡っていかなければならない、んでそれをあばずれだの何だの非難するべきではないし、法律を犯しているのでなければ若い女性の自己責任に任せる、というのがコンセンサスになりました。んで「Wの悲劇」の映画の内容といおうか作品の骨子はほぼ上記の通りになっています、女性に関してはです。で、そうした若い女性たちのあり方を男たるのも甘受せよっ・・・つうか甘受せざるを得ないのよ残念だけどという主に男性側の悲しみが同時に描かれているので今どきの若者には観ていては辛いものがあるのやもしれません、でも観といてソンはない映画、当然!!よっ。

今でもTV等でよく観る方々の若い頃を観ると衝撃が走るかも

少し前にTVで「Wの悲劇」をやっていて有名なファーストシーンをなにげなく観ていたのですが、主人公の劇団研生の和辻摩子(薬師丸ひろ子)と先輩で劇団の看板俳優である五代淳(三田村邦彦)との逢瀬と情事が、地方公演で訪れた先のヨーロッ教会かと見紛う仕様の美術館で行われたというのが明らかにされる・・・というくだりに改めて震撼しました。今の私があれを観ると、その後の摩子の五代さんへの態度と五代さんの摩子さんに対するいらだちの態度に関しての見方がかなり変わってきてしまうのです。10代の時に「Wの悲劇」を観た際には五代さんが超絶いけすかないセクハラなプレイボーイにしか思えなかったのですが、五代さんが独身で一回り年齢が下の女の子にがちで振り回されている姿に・・・現在ではつい同情の念が沸いてしまいます。で、じゃあ摩子さんはもの凄いわがままなのかというと、彼女は他の劇団員(特に男性の劇団員)から「どうせ彼女処女だもんな」という相当な侮蔑の目線で評されている描写もあり、彼女自身が強力な競争社会に身を投じ、女優としての自己実現やシアワセの為にかなりの工夫とど根性で五代さんにアタックしたと推測がすぐになされるので、観客としても摩子さんを責めきれないのでありました。

それに比べれば五代さんの後に登場する森口昭夫(世良公則)との出会いと恋愛はもっと森口さんにとってはラッキーだったし、森口さんの言動の方が些か無神経過ぎないかっ?て気がしてます。「アタシ、女優なんだから」ってそりゃあ言われるわさ。

摩子の摩は磨かれる原石の摩、周囲との摩擦を呼ぶ摩

今の21世紀をむかえた時期だから気がつく視点でこの映画を鑑賞し直すと、他にも細かい台詞やシーンのてんこもりです。1985年の日本の文化、いわゆるソフトパワー業界の縄張り意識のものすごさ、各ジャンルのリーダー集団の人々の他のジャンルに対する偏見の凄さが伝わってくる、思わず時代の人々の意識の移り変わりだとかポリコレなどを考えるともうコレは不可だからやっちゃ駄目という自分への戒めとして心得ておこうと思います。んで、よく考えてみたら私は「Wの悲劇」を観た時点で大学に進学していまして大学の図書館だとか教科書の著者の南博先生という専門課程の学問では大御所といわれるお方を存じ上げていてもよかったのですが・・・まったくナニも知らずに看板女優の羽鳥翔(三田佳子)が劇団の先輩女優(南美江)に向かって「女、使いませんでしたか?」とゆう恐ろしい台詞をいっているシーンをただぼんやり観ておりました。今思うと当時の芸能スキャンダルとか不倫の噂だとかをそのまんま当てこすって芝居にする日本の芸能界の風習というか事情をよく知らなかったので・・・苗字も一緒なのに正式の夫婦と認めずに長年不倫略奪カップルって言い張る世間の一部にいる意地悪な人々って酷いなって思います。それから実はとても大事なことですが、夏木静子の傑作推理小説である筈のWの悲劇 (光文社文庫)は映画の中の摩子さんが主演を努める劇中劇として登場するのであって原作を映画化するというよりタイトル借りただけであり、極めつきは五代の「あんなのおばちゃん達が観る芝居ですよ」という暴言ともいえる台詞の存在ですね。いかに当時の日本のエンターテイメント界、日本の文化人達のセクト主義が増大しきっていてどいつもこいつも図々しいやつらばっかりだったのかと呆れてしまいます。おかげで私は二回も同じような事書いてしまいました。それでも映画はやっぱり面白いので気に入ったヒトはシナリオWの悲劇 (角川文庫 緑 445-99)を小説とは別物として読んでもいいかも。それにしても後にTVの二時間推理ドラマで「Wの悲劇」を挑戦するスタッフたちは苦労したのではと心配になっちゃったよなあ。昨今では日本人以外のコンテンツ消費者も「推理劇Wの悲劇の悲劇」の経緯を知る事があったりするんでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

しょくぎょうふじんの映画 10 「隠し剣 鬼の爪」の松たか子と高島礼子

 

隠し剣 鬼の爪 [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • 発売日: 2010/12/23
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山田洋次監督の本当の凄さは、思いきりAMERICAN♡

 山田洋次によるたそがれ清兵衛 [Blu-ray]の大ヒットは日本映画にとっては快挙なのかもしれません、だけど劇場公開当時の私にとっては同人活動していたシナリオ修行時代のデスゲームの思い出、苦痛の方がより忘れられません。おかげで私はホントに藤沢周平がキライになりそうになったのよっ。あと藤沢周平の代表作と評判の蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD](題名を一時忘れてしまい検索にも登場せず呆然とした時がありました。記憶にあるのは確か宝塚のどっかの組で劇化されたなよなって事だけを頼りにチャレンジしたらアマゾンから出てきた)を何よりも映像化しやすいのにってコメントを読んだ際にわき出た私自身の違和感が、より山田洋次監督への個人的なリスペクトへ繋がってしまうのでした。後に東山紀之主演で映画化された小川の辺 【初回限定版】 [DVD]てゆう短編小説を一時間のTVドラマで脚色しろってシナリオの師匠からのリクエストで時代劇研究会の同人メンバーが一斉に脚本にしたんですけど、そりゃあキツかったのよ😥。

永久就職としての結婚、解雇される嫁とお家再建にかける嫁

「隠し剣鬼の爪」も藤沢周平の短編を3本選択して映画にしています。で、藤沢周平の連作短編シリーズである「海坂藩」ものとはあくまでも別個の3本なのも「たそがれ清兵衛」とは違う点です。ちなみに亡くなった時代研での私の師匠はかの巨匠山田洋次に対しても容赦なく駄目だしをしていて(若干年齢が年上だった事と山田監督自身が幼少期は大陸で育って引き上げてきた経験有り等の経歴をある程度知った上での推論もあったと思いますが)「たそがれ清兵衛」の次作である「隠し剣鬼の爪」に関してはテーマ主義に走っていて映画の結末を逆算して脚本を構成したのが失敗という判断でありました。その師匠の発言時には私は「隠し剣」の方を観ていなかったんでふーんと感じただけでしたが、ある日TVの放映(地上波かCS放送ノーカット版かは忘れたんですけど)で観て、私は「たそがれ清兵衛」よか「隠し剣鬼の爪」方が好きだし、たそがれ清兵衛で不満だった所が払拭されてんじゃんかって感想を強く持ちました。特に高島礼子が演じた侍の妻の役の描き方とかが凄いのさ、びっくり。ヒロインの百姓出身のきえ(松たか子)が片岡宗蔵(永瀬正敏)の実家に嫁入り修行していた後に商家へ嫁ぎ、嫁ぎ先から「使えない嫁」として追い出される姿と対比されることにより日本人の結婚観のある種の典型が垣間見られるのも興味深いです・・・不快でも一見の価値はあります。その点でも「だそがれ清兵衛」より出来は上だと思う。

観る人には好きな香り選んでぇ~WOW WOW♫

 昭和の映画脚本家たちにとっての「テーマ主義」とは主に結末を決めてから逆算して脚本を作る事であって(しかも原作小説の結末に忠実とも一切関係なくやらねばならなくなる事態に陥るが当時の映画製作には多かった)、いわゆるGlobalな基準のテーマ主義とは少し違います。藤沢周平の海坂藩サーガともいうべき秘剣シリーズとそうでない短編小説ともごっちゃになりやすい事も有り、主人公片岡のラストの判断は師匠にはそうとう納得いかなかったのかも。ちなみに師匠は自分がある雄藩の家老職の子孫だったせいか、武士の身分を捨てるという主人公の判断に嫌悪感といおうか、無責任な行動だと考えたみたい。けどそこのところが私の解釈だと、片岡宗蔵って江戸期のスパイ及び謀殺指命を受けた者で彼の決断はあくまでもサバイバル活動じゃないかと感じたもんです、重厚でリアルなスパイ映画時代劇で良いんじゃないのかなあ?駄目なのかって鑑賞した直後に思いました。私には「たそがれ清兵衛」はちょっとだけ野蛮な西部劇で「隠し剣鬼の爪」の方はもう少し都会的なスパイものの印象なんですよね。日本の時代劇にはハリウッド映画並みのプログラムピクチャーに該当する傾向がありまして、山田洋二監督の藤沢周平原作映画にはその流れがキチンとあります。他の藤沢周平時代劇映画でもその傾向がある作品もあろうこととは思います、が・・・そういうのは嫌なのキライってタイプの日本の観客に合わせた映画が多かった印象があります、詳しく映画観ていないので印象だけです、印象っ。

 出かけるわぁ~コンサートにぃ♫今自由に、ヴァケイショ~ン♫

私の子供から思春期、青年期の時代で(1970年~90年代半ばにかけて)山田洋二監督の映画というと、寅さんシリーズで一人勝ちというイメージが強かったです・・・といおうか振り返って考えると驚異的ですらあります。でも正直どんな映画なのか、未だに私にはよく判りません。あと、寅さんって当初はTVドラマで、妹のさくら役は長山藍子さんだったんです。現在私の主に年下世代の男性の寅さんシリーズマニアが増えているそうなんですが、特に1980年代の若者層の寅さんシリーズの嫌い方を記憶している人間には時代の流れを感じます。1970年代に家族で寅さん映画を映画館で観に行っていた人々がいましたが、そのパワーメントは結構スゴかったんだね。

 

 

 

2020年に劇場で観た映画 ④

 

パブリック 図書館の奇跡(字幕版)

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  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: Prime Video
 

 想定外のハリウッドらしいプログラムピクチャー

王道の映画です、王道のヒーローもの。エミリオ・エステベスが演じた主人公もおそらくは実在の人物がモデルで映画の内容も大方は事実に沿って製作されているのはと推察しています。彼自身が監督と脚本を兼ねているのも「暴露してやる」意図からくるものでは?と考えてしまう。なんで映画の面白さはかなりあるのにトロント映画祭に出品しても特にナニも受賞していない結果なのは、映画祭で賞レースに載ったら危険過ぎるからな判断もあったのかもしれません。ナニがどうってワケじゃないかど2020年度のオスカーの結果がいまひとつ面白くない方々には特にお奨めしたいです。(例えば最近のハリウッド映画ではミナリ [Blu-ray]が一番面白かったじゃん何で助演女優賞だけなのっ、とか無茶な事を主張している人とかね)

 

なので、主なストーリー紹介は一切控えさせていただきますが、映画の冒頭に図書館司書のスチュアート(エミリオ・エステベス)が部下のマイラ(ジェナ・マローン)に対して猛烈なまでに遅刻に注意する、そしてマイラは言い訳するばかりで決して上司の叱責に怒りを示さない、むしろ得心する態度なのは何故なのか?そして彼女は母親と二人暮らしの日常をスチュアートや同僚にひたすら披露し決して自家用車で通勤しようとしないのは何故?・・・など21世紀において少数派市民を守る行政の仕事人の矜持とはどういう行動が必要かが詰まっている芝居が続くので、そこが見所なの、しかもクライマックスに繋がります、とだけ推したいと思います。

 

 私は鑑賞後にグッタリ、子供たちは皆元気

そしてお父さんたちは煉獄さんに熱い共感を覚える・・・そんな姿を観てさらに疲労感が増した私なのでした。自らを「柱」や「竈」になぞらえるヒーロー達、そして彼らは家父長制度を遵守し燃え尽きるまで闘うのみたいに云われて嬉しい男性たちの気持ちが私にはイマひとつ解りません。特に漫画原作者が女性と知った時点で、(漫画家である)世代の若いお嬢さんの感覚は空恐ろしいと感じてしまいました。しかも映画自体は物語の構成にもGrotesque&Globalな感覚に満ちていて全米でも世界中でも莫大な興行収入があるという事実がコワい。・・・でも私、ついラスト近く陽が昇ろうとするや逃げ出す敵側の鬼に対して本気で卑怯な悪めすげぇ頭に来た💢って思って観てたのできっとかなり力入れて観ていたとは思います。

 といわけで、2020年度に映画館で私が鑑賞した映画の紹介は終です、結構本数みていた気がします。

 

        

2020年に劇場で観た映画 ③

 

 アカデミーは作品賞だけじゃないんだ!!

そして純粋に映画一本の中で「物語よりもAnother somethingに熱狂する人々」の為にも存在するのですよ。「フォードvsフェラーリ」はそんな人達の為のアカデミー賞受賞作。でも物語も一級だし、ヒーロー好きの人にも楽しめる。車好きのお父さんと息子さんには見所が一杯です。映画の舞台1960年の社会風俗、ファッションが好きな方にも楽しめますが自家用車のデザインや20世紀の自動車開発の歴史に詳しくないと映画の進行の途中で混乱して眼が回るので、お洋服のマニアな男女は少し注意しておきましょう。私は息子と一緒にcorona渦の中の4月に観に行きました。洋服マニアな私は当然のごとく終盤までにやっと車開発の歴史的背景がざっくり理解できたぐらい、息子は普通にヒーロー映画として楽しく鑑賞、私たちの前に座って嬉しそうに観ていた団塊の世代の自動車マニアなシニア男性達は大満足して帰って行き・・・その姿に私は震撼しました。

 

 

 

頑張れSonic!!でもジム・キャリーは手強い

一言で言うとそれで終わっちゃう映画です、だけどもそれでもちろん面白いのよっ。じゃあ、なんでSonicを応援したくなるかというと・・・がラストではっきり解るのが良かった。それって娯楽作としては脚本がしっかりしているということでも在るからね、馬鹿にしちゃいけません。私のような昔っからのジム・キャリーのファンには相変わらずの躰の切れと言動の悪さのキレっぷりに安心したり・・・ひょっとしたら一抹の不安を覚える方もいるやもしれませんが、お子さんと一緒に映画を楽しめている私もアナタもジム・キャリーcoronaPandemicの中で生活しててもきっとシアワセなんだろうとと思います。

 

さすがに2020年の夏は鬱屈することも多くて

9月頃かな?一人カラオケ店で歌いまくっている最中にカラオケスクリーンに予告編が登場して、「ギガ愛してる」「ニセナナコ」等の言葉/ワードが馬鹿すぎる、下らなすぎる(笑)と一人でゲラゲラ笑ってしまい、その勢いで近所のシネコンへ観に行ってしまいました。もちろん一人で観に行きました、それから私はお酒はほとんど飲まないタイプです。観に行ったら意外とシリアスな展開もあったり、「ギガ愛してる」は「戯画愛してる」という真摯なクリエーターの気持ちでもあるのだなと気がついて自分の日頃のふざけた態度を少し反省しました。で、秋口は家庭で色々あったので年末まで2本しか劇場まで行って観ることはできませんでした。なので次もやります。

 

2020年に劇場で観た映画 ②

 

They Shall Not Grow Old [Blu-ray]

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  • 発売日: 2019/05/07
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 邦題は「彼らは生きていた」ですが・・・

 

 

原題はご覧の通り「彼らは老いることがない」です。それは何故か?というのは第一次大戦で英国とドイツの10代から20代までの青年たちが戦場で死闘を繰り広げた経緯を描いたドキュメンタリー映画の内容を見ていただけるとお解りなると思います。監督はロード・オブ・ザ・リング [Blu-ray]のシリーズで有名なピーター・ジャクソンですが、私の場合、観賞する気になったのはSNSでたまたま映画の予告を観て涙が流れる程感動したからだったのです。それなのに劇場では彼ら若き兵士たちの生き様のあまりの過酷さと呆れるほどの活躍ぶりに涙腺が乾ききるほどでした、それほどに彼らはもの凄いのよっ。

 

 

 

 

ヲタクに恋は難しい

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  • 発売日: 2020/08/19
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 〇〇が無残でなければ・・・

かなり面白かったはずなのに、と(特に会社勤務経験のある)日本映画ファンは感じることでしょう。2010年代以降における20代会社員事情については仕事の手順、研修のあり方など丁寧に描かれており、ひと頃のブラック企業状態ではもはや経営自体が困難であるほどの人手不足や人材不足につき転職についても積極的である日本企業もあるんだよってことを感じて、親としては若干安心した部分もありました。ちなみに赤字の副題にある〇〇の部分は恋愛シーン、ヲタクの男女の恋愛の事情や映画全体の構成の事を指したものではありません、気になる方は是非ご覧になってチェックしていただきたいと思います。

 

 

パラサイト 半地下の家族 [Blu-ray]

パラサイト 半地下の家族 [Blu-ray]

  • 発売日: 2020/07/22
  • メディア: Blu-ray
 

 韓国初のアカデミー作品賞!!報道に安心して鑑賞したのに・・・

↑も当初はSNSでの発信が多く、公開を楽しみにしていたのですが2020年の1月に東京の某所に飾ってあった映画の立て看板がまるで昆虫の家族のように感じられ、そのあまりのコワさにすっかり怯えてしまい封切り早々には観に行けませんでした。2月のアカデミー賞発表後にようやく観に行き、とても面白くて何だかホッとしました。何でホッとしたのか?というと、やっぱりNorth Korean Republic People/北朝鮮民共和国の人々の可能性と限界について映画の観客にも分かり安く伝わってきたって部分でしょうか。しかし私は日本に住んでいるものですからソン・ガンホ演じる主人公の家族の面々と同等、いや同等以上にコワくて仕方が無い気もしますが・・・でも皆それぞれ頑張ろう、あんまり無理せずに。で、今年(2021年)の米アカデミー賞は2ヶ月程度発表が遅れるんでしたっけ?ゴールデングローブ賞の方はまだみたいだよね。

 

 

2020年に劇場で見た映画 ①

 

 

 corona下の日本でも劇場で観に行った映画の話をするよ

そして本年(2021年度)には配信でも新作映画を観られる様に環境を整えることに尽力したいと思います・・・アマゾンとかネットフリックスとか。金銭的なだけでなく、なかなか忙しかったり自宅のAV機器やネット状況もあるのさ、言い訳だけど、そういう状況在るにはある。それに2019年年末年始にかけて私は体調を大きく崩してして映画見に行くにもキツかった。↑の映画は息子と冬休みに観に行きましたが、アナの冒険が身につまされ過ぎたといおうか「良かったアナも私も死なずに氷の海から出て来られた」とホッと息をつく瞬間がありました。ラストのアナの姿に晩婚で出産するのも大変だけどその手の女性は体力もパワーアップするから頑張れみたいなメッセージを勝手に受け取った私。

 

 

 「アナ2」にひき続き鑑賞したのですが、体調が戻りきらなかったせいか、このままでは私はヒロインのレイと一緒に生きて戻れないのでは?と映画の後半になって目が回りそうになりました・・・隣の席の息子が心配したくらいです。最後の最後にレイが生まれ故郷に戻ったのもきっと結婚前にゆっくり準備でもしかったんだろうな・・・と納得してしまいました。で、次回のSWシリーズでは帝国側の悪のトップがどうやら金髪の美女っぽいとの予告もあったよ。

 

劇場版 ダウントン・アビー (吹替版)

劇場版 ダウントン・アビー (吹替版)

  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: Prime Video
 

劇場版はTVシリーズのおなじみのキャラクターももちろん登場する、別個のお話でまさにダウントンアビーのアナザーワールドでした。映画観て驚いたのは第一次大戦直前の某国皇太子襲撃未遂事件のエピソード、サラエボ事件大津事件に限らずこの時期はヨーロッパ各国の王族、皇族への襲撃事件が多々あったんだと改めて気が付きました。劇場はTVドラマ版のファンみたいな、そしてファンじゃなかったおばさまが多くいらしていましたが、皆映画を楽しんでいました。んで何故だか途中で気持ち悪くなった様子で席を立った若い女性客がいて驚きました、日本でcorona渦が始まる直前の一月の中旬の頃です。ちょうどその時点だと私自身は三半規管がかなりおかしいような気がしましたが、熱や風邪の症状は一切ありませんでした。

 

キャッツ [Blu-ray]

キャッツ [Blu-ray]

  • 発売日: 2021/02/03
  • メディア: Blu-ray
 

 「CATS」は冒頭から21世紀現在におけるロンドンの猫の生態を紹介するエピソードがめまぐるしく続きます。大英帝国の遺産と植民地支配の影響でここまで猫ちゃん事情が拗れているとは知りませんでした。日本の猫事情はつい最近でもペルシャ猫やアメリカンショートヘアもぐっちゃぐっちゃ・・日本の三毛猫は海外で大事に飼われているという話も聞いた事あるのにほったらかし状態です。かたや自由恋愛もままならない傾向があるロンドンの猫たち、そりゃ宇宙にも行きたくなるやもしれませんね。(猫たち行きたいって思ってるよきっと、多分、愛護団体の人たちもご一考下さい)

2020年はcoronaのおかげで観に行った映画もあんまり無いんですが、今回はここまでで、次に続きたいと思います。でも鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐 (ジャンプコミックスDIGITAL)の劇場映画は確認したところ、2020年の11月に観ていたよ!齢50代には月日の経つのあっという間です。

 

   

 

 

BL 版 ⑦ 「オースティン・パワーズゴールドメンバー」

 

オースティン・パワーズ シャガデリックBOX [DVD]
 

 BOXに入っている三作目の「オースティン・パワーズゴールドメンバ-」について主に紹介するね

何故かというと何となくUSの事情とかあるかもしれないから。ポンコツな頭の日本人映画ファン(特にハリウッド映画なのに日本語の吹き替えや字幕のダジャレギャグに喜ぶようなタイプ)は意外にも細かい事を気に病んだりする人たちに驚いたり、思わぬ所で怒られたりするような事例に出くわしてやっといろんな事を理解出来るくらいに馬鹿だからさ。特に日頃から心の優しい人いい人だと思ってる友人知人、親や社会人になった兄弟姉妹に説教されるとかなり落ち込むの。それと海外の事情に詳しい人やUS在住の日本生まれの人々は最近じゃよくSNSで日本人のお笑いセンスが荒みきっているって怒っている場合が多いんだよね、お笑いって難しいの。っていうかハリウッドのコメディ映画=お馬鹿さんが見る映画って云われてたのに、現在の日本ではお笑いオタクの間でも密かに「イケてる気取り/スノッブ趣味ですことW」と陰口を云われている少数派なのかしらん・・・でもやはり昨今のcorona virus(2020/05/29現在)パンデミックの最中にはSWの理力/フォースよりは↑のようなオースティン・パワーズシリーズのようなMOJOが必要だと感じるのでこれ以上の愚痴は止めます。特にストーリー紹介する必要ない映画シリーズかもしれないし。

カップルで観るとオースティン・パワーズシリーズのお気に入り作品で揉める

我が家の場合だとオースティン・パワーズ [DVD]は夫婦2人一緒で楽しめて、オースティン・パワーズ:デラックス [Blu-ray]は最初一回目の鑑賞では私自身は好きになれませんでした。一作目はマイクマイヤーズ夫人も脚本に参加してた所為もあるのか?オースティンの馬鹿発言がより新しい倫理観によるものなのか本気で頭がイカレているのか判らないのがすごく好きだったんですが、「デラックス」の方を贔屓派は純粋なギャグ映画としてはコッチがレベルが高いと言い切る日本のお笑いマニアの人々がいるので個人的に少しムカつきました。二回目に「デラックス」を観た時はその前にハングオーバー! [Blu-ray]を観てしまった後だった事もあって(双方の映画でヒロイン役のヘザー・グラハムが好きな、映画好きな女性に判っていただけると有難いです)・・・まあいっか、オースティンパワーズパワーズはこんなもんで、気にはなったりします。

なのでオースティン・パワーズ ゴールドメンバー [DVD]をまだ観ていない人の為に

個人的に観て欲しいポイントだけを紹介します。

①いちいち「やっぱりスゲえなこの人」ってのが登場します・・・日本語のナレーションだけでも凄いと思わせる松崎しげるさんとかこの後でHEROES コンプリート DVD-BOXでブレイクしたマシ・オカさんとか、レストランのカリスマシェフなのに松久伸幸という人物はどうしてここまで映画出演してもハナがあるのかとか、絶対に曙関は出演している筈だっ、もしも別人だったらその彼に来日してなんかヤって欲しいだとか、他にもいろいろありそうですよっ。

②ポリティカルコレクトネスも必要だけどお約束のギャグだって必要だ・・・下ネタや汚いお便所でイタズラするギャグ等は子供も大人も喜んだと思った瞬間に頭にきたりと観客の間でも毀誉褒貶の反応が激しくなりがちですが、その一方でスピード感溢れる洗練された新鮮なパターンを観たいと常に映画ファンは心の片隅で期待している部分があるものです。「ゴールドメンバー」はその最新の形の一つかもしれません、でも日本公開が既に2003年なのです。そろそろこの手の映画の新作が観たいものだと思います。この後にハングオーバーシリーズやらテッド 俺のモコモコ スペシャルBOX Blu-ray&DVD (限定生産商品)なんかもありましたが、テッドも2作品でネタ切れというか終了してしまったので、多少不満が募ります。

③1975年代ディスコで活躍するオランダ人の絶倫ジイサンを演じた人誰?・・・一回目に観た時は「マイクマイヤーズの老けメイクスゲえな」と思ってたのですが、マイク・マイヤーズよりも明らかに顎が小さいのが気になります。ダンスのキレや身体の柔らかさを自慢したり60才以上をよく眼にした経験を持つ人間からすると、ああいう方って結構シニア層に多いんです。ちょうどマイクマイヤーズ自身がインタビューで自分の父親が死んだ事を語っていたんで気になってしょうがないんです。どなたかに教えていただけたら嬉しいです。

④「セス」ってファーストネームのカナダ出身の役者さんが多い・・・「ゴールドメンバー」でDrリーブルの長男として活躍したセス・グリーン、知る人ぞ知るもの凄い大物らしいのに個人的には宇宙人ポール (字幕版)とかライオン・キング MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]でしか存じ上げないセス・ローゲン(敬称略)、あと「テッド」のぬいぐるみ役で有名なセス・マクファーレンなど現在ハリウッドのコメディ映画で活躍されてる方の名前が「セス」で、カナダ出身であるのがひたすら面倒クサいのですが、今「ゴールドメンバー」を鑑賞するとケヴィン・スペイシーが清々しいまでに無邪気な演技で登場し、映画鑑賞中なのについ検索したくなりました、困ったものです。