2020年に劇場で観た映画 ④

 

パブリック 図書館の奇跡(字幕版)

パブリック 図書館の奇跡(字幕版)

  • 発売日: 2020/12/23
  • メディア: Prime Video
 

 想定外のハリウッドらしいプログラムピクチャー

王道の映画です、王道のヒーローもの。エミリオ・エステベスが演じた主人公もおそらくは実在の人物がモデルで映画の内容も大方は事実に沿って製作されているのはと推察しています。彼自身が監督と脚本を兼ねているのも「暴露してやる」意図からくるものでは?と考えてしまう。なんで映画の面白さはかなりあるのにトロント映画祭に出品しても特にナニも受賞していない結果なのは、映画祭で賞レースに載ったら危険過ぎるからな判断もあったのかもしれません。ナニがどうってワケじゃないかど2020年度のオスカーの結果がいまひとつ面白くない方々には特にお奨めしたいです。(例えば最近のハリウッド映画ではミナリ [Blu-ray]が一番面白かったじゃん何で助演女優賞だけなのっ、とか無茶な事を主張している人とかね)

 

なので、主なストーリー紹介は一切控えさせていただきますが、映画の冒頭に図書館司書のスチュアート(エミリオ・エステベス)が部下のマイラ(ジェナ・マローン)に対して猛烈なまでに遅刻に注意する、そしてマイラは言い訳するばかりで決して上司の叱責に怒りを示さない、むしろ得心する態度なのは何故なのか?そして彼女は母親と二人暮らしの日常をスチュアートや同僚にひたすら披露し決して自家用車で通勤しようとしないのは何故?・・・など21世紀において少数派市民を守る行政の仕事人の矜持とはどういう行動が必要かが詰まっている芝居が続くので、そこが見所なの、しかもクライマックスに繋がります、とだけ推したいと思います。

 

 私は鑑賞後にグッタリ、子供たちは皆元気

そしてお父さんたちは煉獄さんに熱い共感を覚える・・・そんな姿を観てさらに疲労感が増した私なのでした。自らを「柱」や「竈」になぞらえるヒーロー達、そして彼らは家父長制度を遵守し燃え尽きるまで闘うのみたいに云われて嬉しい男性たちの気持ちが私にはイマひとつ解りません。特に漫画原作者が女性と知った時点で、(漫画家である)世代の若いお嬢さんの感覚は空恐ろしいと感じてしまいました。しかも映画自体は物語の構成にもGrotesque&Globalな感覚に満ちていて全米でも世界中でも莫大な興行収入があるという事実がコワい。・・・でも私、ついラスト近く陽が昇ろうとするや逃げ出す敵側の鬼に対して本気で卑怯な悪めすげぇ頭に来た💢って思って観てたのできっとかなり力入れて観ていたとは思います。

 といわけで、2020年度に映画館で私が鑑賞した映画の紹介は終です、結構本数みていた気がします。