年明けから波乱に満ちた映画鑑賞の日々とサンダーバード劇場版
年始にレトロお洒落&ギーク(日本で云うところのマニアックなオタク趣味)な映画で和もうという目論見で観に出かけたのですが、新宿のピカデリーに行ったら何処のスクリーンで上映しているのかがあんまりよく解らず、最上階でやっと見つかり席に着こうとしたら自分の席に先客の男性が座っていて驚きました。サラリーマン風の男性は隣のスクリーンで興行していた松本潤クンの「99.9%」が真剣に観たかったみたいで、座席間違えた事に真っ青になって飛び出して行きました。2022年の東京都心の映画館興行では不可思議な事が多くて年末にも小説 すずめの戸締まり (角川文庫)の映画は日比谷や銀座の映画館でロードショーしていなかったり池袋でも3スクリーンもやっていたのに分かりずらくて観客には大変だったのでは。「サンダーバード」、映画内容は楽しかったのですが(TV放送時の1960年代当時の使われなかったエピソードを映画版にしたはずなのに)同時期に勃発したウクライナ内戦の舞台がそのまんまサンダーバードに登場していたので振り返ると些か気まずいものがあります。手に汗握るドキュメンタリーの「レスキュー奇蹟を起こした者たち」(ディズニー+で今配信中)やら年末から話題だったハウス・オブ・グッチ [Blu-ray]は見応え充分でした・・・それにしてもフィクションノンフィクションを問わず情報の読解力を問われる事が増えてなかなか大変だなと思います。その点ではドキュメンタリーの国境の夜想曲(字幕版)とほぼ実話を元にした映画も変わらない。「ハウスオブグッチ」なんかは映画のラストで、あの当時のゴシップは総て茶番だぜそんなにGUCCIが中東の金持ちになんかに乗っ取られるわけないってバラすんですがぁ・・・多分多くの観客は気がついていないってばっ。
↑の映画も情報の読解力こそが映画に感動できるかできないかのポイントになります。その点ミュージカルという形式は歌やダンスで主人公以下各登場人物の感情の琴線に触れるので何となく伝わる観客が多いでしょう、それでも内面的でアメリカの若者の力強さと根気強さが解る映画。息子と一緒に観に行きました。
それから「マトリックス」シリーズのあのネオとトリニティもっ!!・・・何故彼らが「すれ違いする運命の恋人達」になっちゃったのかは謎、といおうか驚愕でしたがっ。根気強い人々にとっては赤い糸で結ばれた相手は空から振ってくるんだよ!ジブリでもハリウッドでもひょっとしら現実でもって気になったよ映画終わったら。ブレット・トレイン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]の登場人物もブラッド・ピッドを始めみんなタフだし性格みんなしつこいしね、さすが。
根気強い女性達の映画ももちろんありましたが、主に2022年はヨーロッパの映画で観る事がありました。日本だとアニメの竜とそばかすの姫に登場する四国の女性達が地に足がついていた描写が魅力的だったのでファンタジーの要素が浮かずに親しみ易かったのですが。↓の映画では主演のレスリー・マンヴィルとイザベル・ユペールが、
↓ではフランスのベテラン女優のナタリー・バイが貫禄と辛抱強さを映画の中で見せてくれます。特に「オートクチュール」の女性監督は物語の演出はキビキビとしていて職人気質の人間の表情をじっくりと描いてくれるのですが、どう考えても監督さんは長年ドラマではなくファッションショーの映像とかイメージフィルムを制作してきたベテランのマダムでは?偶々corona渦だったからファッション業界の為に一般映画を撮っただけという気がしてならず、「どうしよう面白いんだけど後もう1本か2本おんなじようなフランス映画観たいですって云ったらこの女性監督はキレて怒りそう」だと思いながら観ていました。
「ミセス・ハリス、パリへ行く」はエピソードが原作もあってか、総花的ではありますが実際にあった実話のヒロインたち数人がミセス・ハリスのモデルの元にはなっていると思われます。だから映画の最後の次にも主人公ハリスにきっとシンデレラ物語があるという暗示が示されていると直感しました。この映画に限らず21世紀の映画は必然性のある成功譚をきっちり描いていくようになると思います。
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