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麗しの「X星人」といえば水野久美
・・・と書いても東宝特撮映画ファン以外の人には通じなかったりはしますが。それ以外の大半にとっては「ホームドラマに出てくる上品な奥さん」のイメージが強く、若い頃のセクシー&グラマラスな魅力を割と早々に封印しちゃった印象です。うちの両親に「昔この人(水野久美)、ゴジラ映画で宇宙人を演ってたような気がする」と言ったらこんな人(こんな堅気の美人)がそんな役やる訳が無いと怒られた記憶あるもんね。ゴジラシリーズの第六作なのですが、日米合作となっているせいなのか、ゴジラ等の怪獣の存在が軽めです。(そういやこの映画のゴジラとラドンは最後までどこかキュートだった・・・)アメリカでのゴジラ人気が下がってきたこともありエイリアンの地球侵略エピソードが目立つ構成となっています、米国側が手を抜いてより日本とほとんど変わらない版で全米でも公開されて、おそらくティム・バートンのマーズ・アタック! [Blu-ray]に影響を与えたのは間違いなし。水野久美は侵略者X星人と地球人に姿を変えた女スパイ「波川」の二役、というより計算機に人生の運命凡てをゆだねなければならないX星人における美女全般? というキャラクター、X星人の女性は皆美人だけどそれは「全員水野久美のクローンだから」っていう・・・何じゃそれ・・・しかしそのおかげで子供の私にも強烈なインパクトを残したのでした。
当時の映画は二本立て興行だった
私の子供の頃でさえ、確か小学生ぐらいまでは日本映画は二本立て興行が中心でした。「怪獣大戦争」は1965年の公開だと「エレキの若大将」一緒、1971年にリバイバル上映の際は「東宝チャンピオン祭り」の目玉として入っています。ゴジラシリーズはファンの間ではシリーズ何作目から子供向けに堕落してミニラなんてのを産むハメになったのかという議論が盛んですが、併映作品とのバランスから考えると少なくとも製作当時の段階ではせいぜい「ヤング・ファミリー」路線もしくは「ヤング・アダルト」ぐらいのものでしょう。この時期東宝特撮映画はゴジラ以外にも全盛期を迎えていまして同じく水野久美をヒロインに据えた名作ホラー「マタンゴ」なんていう作品が、「ハワイの若大将」なんてのと一緒に上映されていたのですから。それにX星人たる水野久美のあだっぽさは格別のもので、宇宙人のコスチュームのといい、彼女のエキゾチックなメイクといい、今の時代で観てもシックだけどセクシー、ちょっと子供向きとはいえないでしょう。その後若い女性の異星人ていうのが、ハリウッドのSF映画にも登場するようになるのですが「マーズ・アタック」でも「スター・トレック」のパロディとしても有名なギャラクシー★クエスト [DVD]でも水野久美ほどの個性的でかつすんごい美女というのはでてきません。米国には「浦島太郎」の伝説もないので、吸い込まれるほど美しい乙姫様みたいなキャラはピンとこないのかもね。でもこの映画で主演した一人、ニック・アダムスは「リアル浦島太郎」のごとく水野久美に夢中になっちゃったそうな。ちなみに映画の中でX星人をやっつける秘密兵器はもともと在野の発明家鳥井(久保明)の開発した「レディー・ガード」なる商品が元になっているのだけど、これって要は痴漢避けベルのことじゃんか! ・・・一体どういういきさつで「レディ・ガード」なんて命名なんてしたのかしらん。
ゴジラはまだまだ続くよどこまでも?
それにゴジラシリーズのあなどれない所は完全子供向きとして東宝チャンピオン祭りと一体化した後もゴジラ対ヘドラ [DVD]なんていうサイケでカルトな傑作がひょっこり登場するところなわけでしょう? ・・・って話をまとめる予定でハリウッド版「ゴジラ2014」を参考に検索してみると、日本側のプロデューサーに「へドラ」の監督の板野義光センセイの御名を発見してシェーって思いました。何でも東宝からゴジラを3D映画化する権利を買っていたからだなそうなんですが、現在80代に至ってもバリバリお元気だそうで、「ファンです」って私の友人が会いに行ったところ、「君も写真をやるのなら、水中撮影をやりたまえ」と言われたとか。(「へドラ」でも公害で汚染された水の表現が凄かったね)彼からはつい先週の忘年会でその話を聞きました。ゴジラファンは死なず、だね。
- 作者: 山口恵以子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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山口さんがずっと社員食堂にお勤めなのは知っていたのですが、何故松本清張賞とったぐらいで食堂のおばちゃんが作家になった等と騒がれなきゃならんのさ、他に言いようあるだろっ、て最初は思ってました。普段はこの本の表紙みたいないつもレディなカッコが好きな彼女なのに自身が出演したTV番組では割烹着と三角巾でパーフェクトに身をやつしている姿にむしろ衝撃を覚えた程です。山口さんは女優では水野久美と酒井和歌子がずっとお気に入りの美人女優だったそうでX星人の水野久美やゴジラ映画も私より何倍も詳しいです。本書を読むと山口さんてホントにコスプレが大好きなんだなとしみじみ感じました。文芸春秋が気合いを入れてキャラ立ちした彼女をプッシュしたくなる理由も小説を読めば解かりますよ。