IF(たられば)の女 ③  「V フォー・ヴェンデッタ」のナタリー・ポートマン

 

 今のハリウッドを代表する「兄弟」⇒「姉弟」⇒「姉妹?」のお仕事ね

 要するにウォシャウスキーさん家のお子さんたちのことです。(笑)この映画では主に製作と脚本を担当しています。英国のコミックの映画化なので公開当時も皆ごく普通に接していた記憶がありますが、今になってよくよく鑑賞すると「かなりいろんなコトを慎重に示唆」しているのがよく解かります。そのせいかアノニマスなんてゆうグループがヴェンデッタのお面を非常に気に入ってよくサミットなんかで抗議アピールしていますね。今度日本の伊勢志摩でサミット開催するそうですが、日本の警察はあからさまに目立つお面など簡単に剥ぎ取りそうなのでアノニマスの方たちは無理してそんな遠出して抗議することなんかないですよーとアドバイスしたいですわ。もしどうしても・・・というのなら伊勢志摩非公認萌えキャラ碧志摩メグちゃんのお面で「反骨を示す」という意図をごまかす(笑)とか工夫してみるとかも手ですかね・・・んまあ「たられば」の話はこれぐらいにして、次に行きましょ。

「超映画批評では100点満点中30点」、私の友人は絶賛してたけどさ

 ちなみに友人の彼女は他にX-MEN:ファースト・ジェネレーション [Blu-ray]を押しておりました。で、ヒュー・ジャックマン主演のXメン一連シリーズはよく知らないという(笑)、ことなので一体どちらのお奨めが信用できるかということなのでしょう。私はもちろん友人の絶賛の意見を参考にしました。なにせ彼女はあんまりこの手の映画を見慣れていないのが明らか(笑)・・・だけど若い頃から「痴漢が怖くて名画座で映画なんか観られるかよ」と豪語する映画ファンなので、それほどバカなSF映画ではないだろうと思ったわけです。ちなみに取り上げる映画をGoogle検索してかの超映画批評に出くわすことが殆ど無いのですが、たまたま出てきました。30点の評価の根拠も「欧米ではともかく日本人にとっては興味持てないと思う・・・」とかなんとか態度が煮え切らないご様子だったのよ。とは言っても冒頭でも語られる「ガイ・フォースの逸話」はエリザベス一世統治時代ぐらいの地味な歴史のエピソードでそんなに米国やほかのヨーロッパまで広く知られた話だという気がしませんがね。原作コミックは1980年代の英国でまず白黒で発表され1988年にはDCコミックとしてカラーで出版されました。なのでコミックは英国におけるサッチャー時代の「体制批判文化」を色濃く反映されたカンジっつーか、ヒロインのイヴィーの描き方にも80年代の匂いというか、当時の十代の女の子の置かれていた状況がコミック版のプロットを読むとよく判ります。これをウシャウスキー元兄弟は2000年代の「常識」に合わせて上手く脚色しました。そのせいなのかナタリー・ポートマンは自らオーディションを受けて役を勝ち取ったそうです。

Vはより「ヲタッキーな紳士」に、内容はより「LGBTの存在」をはっきり主張

 舞台は(架空の歴史としての)首相アダム・サトラーが独裁体制を敷くイングランドBBCに勤務するイヴィー(ナタリー・ポートマン)は上司のゴードン(スティーブン・フライ)の家に訪問するために夜の街へ出ると秘密警察の人間に見とがめられ、襲われそうになります。そこへ現れたのがV(ヒューゴ・ヴィーヴィング)、なんかやたら古風でしゃべり方が大仰なとにかく「ガイ・フォークス」の仮面被ったまんまなのにやたら強い男。だいたい武器がほぼナイフっつーより、剣ですかあ?で秘密警察のおっさん達をやっつけるしね。ちなみに映画では英国が独裁政権になった理由が若干複雑というか変な事故を契機にして国民が知らない間に独裁政権になってしまったという設定です。まあそれが「V」誕生の秘密に関わるようになるのでしょうがないかなあ・・・というぐらいに公開当時(2006年)は受け止められたでしょうが、大震災を経験した今の日本人なら果たしてどう思うかなあ、とは気になります。・・・で、とにかくこの映画女性の支持がやたら高いのですが多分理由は冒頭のくだりや後にやってくる同性愛者のヴァレリーのエピソード、それから何といっても「V」のキャラクターのおかげでしょうね。多弁でシャイなヒトなのよ(笑)、Vはイヴィーを自分の秘密の隠れ家にかくまうんだけどアンティークなジュークボックスがあったりする「趣味度が高い」部屋で、イヴィーに作ってあげる朝食もすごい凝ったエッグトーストだったりする。そんでもって話し方が「持ってまわった」クドイ言いまわし連発・・・まさに「オペラ座の怪人」のパロディーかよってノリのやりとりがイヴィーとVの間で交わされます。ただし原作コミックの根が暗いせいなのか(笑)あんまり軽快な印象がありません。映画の中には所々引きつったようなユーモアがあり、ツイテいけない人間とああディストピア物ってカンジよね~と割合素直に入っていける人間とに分かれそうな気はしました。確かにイヴィーの上司でBBCのバラエティー番組ホストのゴードンのくだりなんかは、どっかで観たような気がするぅ、反体制のゲイ知識人死すってやつと既視感を覚えるヒトがいそうだね。いかにも英国原作コミックにありそうですがゴードンのゲイ設定は映画オリジナルだとか。原作コミック(コミックノベル)のいわゆるノベル担当のアラン・ムーア氏はずっと映画化に怒っていてまったく協力もしなかったそうで、コミック版のプロットを知る限り「そうだろうなあぁぁ」とは思いました。コミック版ではイヴィーをはじめ女性のキャラクター達への扱い方が酷いというか(生活苦に陥るとすぐにセックスワーカーに走るようになる設定等)Vのキャラクターにしても、もっと「観念的な存在」でありそもそも普通に感情移入することさえ拒否するようなお方らしいです、オペラ座の怪人に匹敵するイメージは主に脚色したウシャウスキー元兄弟が造りあげたんじゃないかって気がしてなりません。

ウシャウスキー元兄弟が監督してたら・・・

 ここまでおっとりとした展開にはならないんじゃあ・・・みたいな気持ちはどうしても最後まで残るのですが。ただ最近の【Amazon.co.jp限定】ジュピター ブルーレイ スチールブック仕様(1枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]なんぞ観る限り、バウンド [DVD]マトリックス ワーナー・スペシャル・パック(3枚組)初回限定生産 [Blu-ray]で尖がった映画をやる情熱が尽きた?(笑)・・・て勘繰りたくもなっちゃいますよね。でも映画の最後ロンドンの街にガイフォークスの仮面をかぶった群衆が押し寄せたりするのは後々のアノニマスの活動にもインスピレーションを与えたりと、地味に影響を与えているのはやはり「正攻法」な創り込みのなせるわざで、改めてウシャウスキー元兄弟の脚本の手腕によるものでしょう。映画公開2年後にリーマンショック、4年後に東日本大震災と日本人にとっちゃ大惨事が起きた現在の方がより身近に感じられるかもしれません。

・・・ちなみにどっかのヒトが主張する「儲かるブログ」の秘訣には既にネットで発表したものも必要とあれば積極的に遂行すべしとあり(政治家のブログではしょっちゅう内容削除ばかりが話題になりますが)私自身も誤字脱字だけではなく、そろそろ内容も大幅に更新したいなあ、と思っているやつを何時手に付けようかしらん気になっている今日この頃です。

  超映画批評さんでは行う予定があるのでしょうか?(余計なお世話) 

 

IF(たられば)の女②  「ガンツ」の夏菜

 

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 ごく「普通」にヒットして・・・

 そしてごく普通に皆の記憶が風化しつつある映画になっているという・・・て書くとイケないのでしょうか? で、私自身はかなり面白かったと当時いたく感心したつもりだったのですが、「ガンツって面白いよね」「当たり前だろうが、なにせあのガンツなんだから」て漫画原作ファンはきっというコトだろうなあ、と発言を控えたくなる気分に公開当時なっちゃったからかなと。振り返るとこの後夏菜嬢だけでなく吉高由里子まで朝ドラヒロインになり、結局現在売れっ子の綾野剛でさえ一般ピープルにとっては「そういやガンツに出てたよね」ということで認知されている状態でもあるのです。それなのに結構忘れちゃっている。「ガンツ」っていうと思い出すのはまず何だったけなあ?そうだ例えば「田中星人」!アイツにはムカついたね、あとは夏菜ちゃん・・・いやあ別に彼女がいやだとか逆に大好きとかそういうコトじゃないんだけどぉ、夏菜。ぶっちゃけ今回ガンツのことを考えて夏菜をセレクトしたわけではなく最初に彼女のことを考えていたら「取り上げるのガンツにしよう」となったのさ、自分でも驚き。</

夏菜の「理由なきメンヘラ」

 夏菜の役は主人公玄野(二宮和也)、加藤(松山ケンイチ)とともにガンツに招聘される岸本というお風呂場で手首を切って自殺したところへ飛ばされてきた娘。ガンツに連れてこられた人間というのは玄野をはじめ皆いったん死んでしまったと思われた段階でガンツのあるマンションの一室に集うことになっているんで。そんでもってガンツが繰り出す「星人」と戦って勝った者だけがまた再び生者として自分の日常生活に戻れます、というわけ。玄野と加藤のように地下鉄の事故をきっかけにやってきた者もいるし、岸本や西(本郷奏多)のように自殺してきたような人間もいる。そしていきなり「実在する東京の多摩市あたりのようなんだけど」なトコで前述した田中星人やねぎ星人親子と戦わなければならない、まあ「ガンツスーツ」っていう着用すればほぼヒーローになれる強いスーツやら武器やらは提供されるけどね。でもプレーヤー自身がゲームのキャラになって戦うのは大変、油断しているとすぐに死んじゃうのだ。最初に犠牲になる小学生の孫とおばあちゃんのコンビなんてものすごく可哀想だったよ・・・そういう描写が日本人のセンス・オブ・ワンダーっちゅうか、「特撮&SFファン心」をつかんじゃう重要なつかみになるのよ。あとはなんだかひたすらに「暗くて重たい」印象の夏菜ちゃんね、彼女はガンツ内で戦闘に参加していてもどこか日常から地続きだということを感じさせる存在で、他のメンバーとは何か違うのさ。

おこりんぼう星人との激闘後に・・・

 GANTZ PERFECT ANSWER [Blu-ray]になると、地下鉄内での戦闘やらどんどん派手になって、玄野たちグループを追跡する警察公安の刑事(山田孝之)みたいな人間も登場しますが、映画ではあくまでも玄野たちとガンツとのゲーム内容が苛烈になってくるのに目が行ってしまうので、原作のファンには多少ものたりない所があるのやもしれません。西や鈴木(田口トモロウ)といったキャラクター達は原作漫画や連続アニメといった所ではもっと活躍する場があり、かなり生々しい存在感を放てるのでしょうがなにせ限られた尺の映画ではどこかもったいない印象を受けるかも。しかし意外と登場場面の少なさの割に間抜けな印象が無いのは短い芝居でも各自の個性がはっきり出るようなキャラクター造形がしっかり成されている(おそらく原作漫画の底力の成せる技)とあとは夏菜演じる岸本の存在が「濃い」ことが他のキャラクターを引っ張っている気がします。演技だけだったらもう一人のヒロインの多恵(吉高由里子)の方が安定感もあって達者なんですけどね。岸本は自分に自信が無く内気で他人と関わるのが下手な性格、自殺したのも彼氏に裏切られたショックらしいのですが、どうも岸本自身にも原因があるよう。ただそんな岸本は時に大胆行動に出て周囲を驚かせて、見事「成功」していしまうヒトなのですよね、だから上野でのおこりんぼう星人との激闘も最終的には岸本が動いたことによって決着がつく、加藤なんか死力を尽くしたというより岸本の死によって気力が失せて玄野から去って行ってしまう様。ガンツは最終決戦で多恵をターゲットとするんで玄野は「本当になにもかも失ってしまう」と追い詰められていくはずなんですがどうも私はおこりんぼう星人との戦い以後、長いエピローグだな・・・と思わず感じてしまったのだ!(笑) 我ながら「そんなわけないだろ」と突っ込みつつラストまで鑑賞を終えたのさ。

そして夏菜は「世界を救う」

 夏菜さんは大手芸能事務所にスカウトされ、幾度のオーディションを経て「ガンツ」への出演にあたり「ほぼ原作の岸本にイメージピッタリ」ということで決まったそうです。その後は朝ドラ主演だしとんとん拍子の出世になりそう・・・と思われていたのですが、何故か現在「あんな大手事務所でそこそこの視聴率を取った朝ドラ女優なのに気の毒過ぎる女」というかなり複雑な状態に置かれております。んじゃ、その後の彼女の出演作が不調かというとこれまたそうでもなく、CMにしても銀行系のカードローンとかノンアルコールの隆盛でことさら売りにくくなっているCHOYAの梅酒とか・・・あまり喜んでやりたがる若い女性タレントいないんじゃ? てな分野で長く活躍しているのを観るにつけなんだかんだ言う割に皆夏菜のことが好きだよな、と思えてくるのは私だけでしょうか。昨夏のTVドラマ「ホテルコンシェルジュ」なんて皆「夏菜にあんな役を振るなんてかわいそうー」との声が上がり、彼女が後半活躍するにしたがってまんまと視聴率が上がっていったという・・・(ウチの夫もコレに引っかかって最終回までみてやんの)もう何が何だか解からない現象が起きました。「スペシャリスト」シリーズ化にあたり夏菜がレギュラーに入ったのも「お願いこの世界を救ってほしい」というリクエストでもあったんかいな?と妄想が広がってしまうから不思議です。そして考えてみたら現在でも語られるほど「不評の朝ドラ」についてなんですが(笑)、結局は「ガンツ」の続編というか夏菜さんが演ったヒロインは実をいうと「武田鉄也星人」や「舘ひろし星人」とかと戦って勝利を収めるも、「お前が悪いんだー」って石を投げられたりするタイプ、キャシャ―ンやらザンボット3に出てくるヒーロー物の女性版を極めちゃった、しかも最後には「強ければそれでいいんだ~♪」のまんま、孤高のヒロインとして私充足しましたとして物語最後完結しちゃったところに超不評の原因があったんではないかと最近分析して一人で納得しております。しかしまさにスクラップ&ビルドを体現するヒロインてゆうのも得難い個性ではありますが、そんな岸本=夏菜を救おうと頑張ったのが加藤や玄野たちだったんですけどぉ・・・(-_-;)

IF(たられば)の女 ① 「トゥモローランド」のラフィー・キャシディとブリット・ロバートソン

 

 ウチの息子はコレを観た後、唐突に勉強を始めた

 最初に何といったらイイのかちょっと悩む映画。娯楽映画としてははっきりいって構成を失敗しているというか結局何がやりたいんだよコレ(怒)となっちゃう方いそうだな。ただ真の主人公フランク・ウォーカー(ジョージ・クルーニー)につい肩入れしちゃうオッサン=昔の子供にとっては間に女子高生ケイシー・ニュートン(ブリット・ロバート)が活躍してくれないと行き場が無いという内容なもんで、というトコが辛いかなあ。でもある種のヒトにとっては「つい最後にキュンとする」わけ・・・まあ「ある種の病」を持っている人間にはということなんですけど・・・「IF(たられば)病」あと昔流行った言い方で「センス・オブ・ワンダー病」というのもありました。個人的には「危険なヴィジョン」というやつが一番しっくりあってますがっ(笑)特撮だのSFアニメだのばっかりに浸って育つとたまに大人になっても治らなくなるってことなの。

 個人的には傑作だと思ったミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]を撮ったブラッド・バードの次の映画がコレっていうのが、もう何か・・・苦笑するしかないんですけど、嫌いになれなーい。

It's a small world⇒Tomorrow Land の入り口さ

 映画は1960年のNY万博、少年フランク・ウォーカー(トーマス・ロビンソン)が自作のジェット・パックという発明品を持って万博責任者のディヴィット・ニックス(ヒュー・ローリー)へプレゼンする所から始まります。お子様フランクの言うコトですから当然大人たちには門前払い、ですがそんなフランクに不思議な少女アテナ(ラフィー・キャシディー)が近付いてきます。アテナが「イッツアスモールワールドへ乗りに行きなさい」と指示するものですからフランクが言う通りにすると・・・いきなりそこは観たこともない超ハイテク社会の「トゥモローランド」!万博なんか目じゃないくらいの未来的な街が広がっておりました。そしてフランクは訳も解からずトゥモローランドの世界に巻き込まれていくや・・・舞台は暗転、2015年のケネディ宇宙センターへ忍び込む高校生ヒロインのケイシー・ニュートンブリット・ロバートソン)のエピソードへ続く、という展開に。

(特に日本人からすりゃ)ラフィーちゃんに「ほだされちゃって許す♡」に(笑)

 ・・・なってしまうかもね。ケイシーはパパ(ティム・マッグロウ)がNASAを解雇されるのに腹を立てて基地に侵入に失敗、警察に保護されていた所で変なバッチを拾う。で、そこからトゥモローランドについて知ることになったり、オッサンになったフランク(ジョージ・クルー二)に逢いに行こうとしたり、アテナがケイシーを迎えに来たりと・・・まあそれなりに謎と冒険とアクションが続いていきます。が、いかんせん映画冒頭のフランクとアテナのエピソードが強烈なのに、妙なタイミングでぶった切られているもんですからなんだか興味持とうにも宙ぶらりん・・・唯一アテナの活躍(殆ど少女版ターミネーター)に「微笑ましい、悪戯っぽい笑顔の女の子がはきはきおしゃべりして滅茶苦茶強いってなんか可愛い」・・・ほぼそれだけの感慨でボーっとしながら中年フランクとの合流まで見ちゃいました。あとケイシーが訪れる(つうか罠として仕掛けられる)田舎町の玩具屋の主人の名前が「ヒューゴ」おお、ヒューゴなの!相方の女の人の名前は「ネビュラ」って言わないのぉ・・・っていう、ごくくだらないコトが気になっただけ(笑)

トゥモローランドの崩壊について・・・「はぁ?」or「まあ着地点としてはギリかな」

 ・・・ということなので、鑑賞してご確認をとしか言いようがない。ディズニー製作でディズニーって割と政治スタンスがはっきりしている会社とかぁ、穿って映画観るタイプには興味深いかも。(ハハハ)展開としてはケイシーとフランクとアテナ三人でトゥモローランドに乗り込んで行って「本当に世界の危機が迫っている」のを知り、止めようとするつーことです。ただ、それよりも少年フランクがトゥモローランドに向か入れられた後、25年後に追放されるまでの経緯がアテナの長台詞によってあっという間に語られるシーンがぐっときます。で、「ぐっとくる」感情に襲われるタイプの人間、IF(たられば)病の可能性大かも。少年老い易く・・・と普通に思い入れできる貴兄もおられましょうが、だから何なのこれって小馬鹿にする方もいそうなので。個人的には少年フランク役のトーマス・フランク君はなかなか子供らしくて可愛らしいのですが、かなりジョージ・クルー二似なものですから、つい「将来苦労するのでは?」とかクルー二兄貴の「二枚目な若年寄」の二十代の御姿を思い出したりして(コラコラ)いろんな意味で「少年老い易く・・・大器晩成イケるのか?」などいろんな感慨に囚われてしまいました、御免。

 

 英国ブッカ―賞、そして偉大なノーベル文学賞よりヒューゴ&ネビュラ賞

 でしかない人間には「合わない」とだけ申し上げて終わりにした方が良いのでしょうが(笑) でもついこの間「ホロコーストの収容所で労役に従事されられたゾーンコマンダー達でさえ暴動を起こした」映画観たり、映画 暗殺教室 Blu-ray スペシャル・エディション(4枚組)程度でも「なんか↑の映画より手際の良い世界観じゃないか?」という感想がどんどん膨れ上がってきてしまうぅ、危険だっ。(2017年秋には原作者がノーベル文学賞まで受賞している現在ならさらに)だって「純文学」なのよ「純文学」なんだからあ、どうして登場する奴ら皆「随分と経済効率の悪そうなディストピアを破壊するほどの覇気」を持てないんだよとか、よくこんな「キブツっぽい」環境で育ってんのに何故お互い性欲だけは活発なの?(イスラエルキブツ内で育った子供たちでカップルになるの凄く少ないらしいのに)とか、あまり突っ込んではいけないのよっ。特に「せかいかーん」なるものが遡上に乗るコンテンツの場合、「自分の好きな世界がdisられる」ヒトの身になって少し控えめにしようかなという気がしてます。

 

 とにかく(ある程度は予想できましたが)かの岩井俊二監督とアタイじゃ、徹底的にセンスオブワンダーの感覚だの世界観だのに共通点が無い、ということだけは今回よく判りました・・・

 

2015年に劇場で観た映画 ④

 「イヌ映画」のプチブーム

 なんか秋口から年末にかけてミニシアターではわんこや小っちゃい子好きの女性向け映画が多かったよ。

 

 

草原の実験 【プレミアム版】 [DVD]

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 タイトルからして日本人にはピーンとくるものがありますね。劇場はどちらかというと男性多し。(わざわざ言及するところに個人的な偏見が出ますわ(笑))主人公の女の子は確かに美少女なんですが、ここ二十年ばかりハーフ系の顔立ちの若い娘が渋谷界隈にもわんさか出現するようになったせいか、清楚過ぎてインパクト低めに見えてしまうかも。おかげで普通の女の子がどうやって将来のお相手を決めるかということも割合あっさりとしたカンジです。ソビエトってこんな風に民族が融合していた時代もあったのねぇとか、ちょっと集落を遠く離れるともう些細な習慣まで違うので「好意を持ってくれるのは嬉しいけどその癖なんか厭」な女の子の感情も遊牧モヒカン青年にとっては気の毒な気がしました。まあ、でももう一人の主役ともいえる女の子の父親の役者の存在感あってこその映画でもあるのですが。

 

 

シーヴァス SiVAS [DVD]

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 シーヴァスは主人公の少年が見つけて拾ってきた闘犬の名前。トルコの山村を舞台にした映画ですが映像の撮り方はきっちり最新式、あんなに闘犬の芝居をリアルにやってもイヌが傷つかないようにしてます。どうやって撮ったんかいなって思いました。映画の最初に登場する歳老いた馬の演技も素晴らしく、まるで小っちゃいオトコの子が成熟したペットの動物たちに躾られていく過程を描いているよう。副題は「王子様になりたかった少年」というもので主人公の学校では学芸会に「白雪姫」を上演するのですが何故か「王子様になること」に執着する小学生男子の姿にオドロキました。中東という土地柄はいくら児童向けとはいえグリム童話等の物語を受け入れることにまだ慣れていないという所為なのか、それとも昨今の幼い男の子のマインドが変化してきたからなのか(私の大昔の子供時代の男子と比べると「きらきら好き」の傾向が強いような気がします、ウチの息子だけがアホなのではと長いこと疑っていましたが)ひょっとしたら、グローバルに「男の子だってもっときらきら王子様になりたーい!」トレンドなのかっ?

 

 

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ) [DVD]

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 そんでこっちはハンガリー、ドイツ、スウェーデン合作の映画、でも舞台はブタペストでロケしているのでかの地を旅行した方は見覚えのある場所があるのかも。寓話的なお話と言われても主役がローティーンの少女とイヌ、と言われればメルヘンよりに想像する方もいましょうがばっちりR15指定描写満載の「ダークサイドに落ちたわんわん物語といった感じでした。↑の「シーヴァス」と比べるとこっちの方が断然撮影が上手だろうっ、とお感じになる方も多そうですが、議論になるとなかなか興味深いかもよホワイトゴットのわんこたちはいかにもヨーロッパ的というか、わんちゃん達の芸当が細かくて手馴れてるーって気が。まあさすがにラストのイヌ集団の大脱走から結末に至るまでのイヌのパフォーマンスは凄かったですがねぇ。闘犬」という設定に嫌悪感を覚える愛護家の方たちにはちょっと我慢するシーンがあるかもしれませんが、ぜひ「シーヴァス」と「ホワイトゴット」は見比べてみることをお奨めします。

 

ヴィヴィアン・マイヤーを探して [DVD]

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  最近はコアなドキュメンタリーの方が人気あんのかい!!・・・びっくりだわさ。女性の「アート」活動に興味を覚える人間がそれだけ巷に多いってことなのかなあ? でも冒頭の監督務めた青年の「ヴィヴィアン・マイヤーは何故生前作品を発表することが無かったのだろう」という疑問はあまり的確じゃないね「何故、マイヤーは自分で撮影した写真を現像することについて学ばなかったのだ」のほうが正しい。そうでないと彼女は何故晩年写真という喜びを失って不幸になっていったのかが理解できないよ。こういう女性は案外世の中にいるよ、実はウチの親族にも居るからさ、なので彼女の気持ちが少しだけ解かるような気がしたよ。

 

 

マイ・ファニー・レディ Blu-ray

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 クリスマス・イブに観ました。(何故だかここ数年この日が映画を観る納めの日になっているコト多し)ツイッタ―で少し話題にしたところこの映画の宣伝部の方に「♡」ボタンを付けていただいたりしたのがとても心苦しくて、機会を観てもうちょっと長めに取り上げようと思いますのでここでは感想言うの止めます。わりと考える所が多かったというしかないが・・・正直役者の演技アンサンブルの良さだけなら近年の喜劇映画としてまれに見るほど良い出来なのですよ、「ただね」ってハナシなのでぇ。

 

 

 

  2015年は個人的なベストは挙げるまじ、という決意をすでにしてから「見逃しシネマ」として鑑賞。だから一番面白かったなんて一瞬にして舞い上がったにしろ決してコレがベストだなんて言わないわっ!!・・・世の中が荒れている程面白い映画が見られると実感した年もなかったということもあったからね。さすがに生まれて初めてした経験だけど必ずしもいいことでは無い、とも考えたのよ。それにジョージ・ミラー監督はすでに御年70を迎えるのよ、古希コキなのよ。そんなお方にこんな映画作らせるのは嬉しいけどちょっと哀しくない?結果として「ろうにゃくなんにょが興奮するヴァイオレンス映画」になっちゃったんだもんね。まあそれでもワタクシ的にお奨めポイントを紹介するとこの映画「A地点⇒B地点」して折り返し「B地点⇒A地点」へとひたすらにブッ飛ばす映画なので、感動して泣く所がどの地点かによってその人の性格がわかって楽しいかもしれないわっ(まあ大抵は折り返しA地点へと進む以降なのかもしれんが)ちなみに男子の方はどの地点で泣くんすかね。イモ―タンジョーの死は案外あっけないので私は印象が薄いんですけど。マミーズ・ミルクの哀しすぎる実態とかで泣いたりするの?(ンなわけないか(笑)

 

 

2015年に劇場で観た映画 ③

 さよなら・・・夏の日々よ

  そうは言っても重量級の映画が次々公開され落ち着かなくて途中からぐったりしてしまいました。

 面白いけどぉ~面白いけどさあ・・・と終始びびりながら鑑賞。だって私基本聞き分けの良いタイプだし(ホントかよ)「ジュラシック・パーク」でのスピルバーグ+クライトンが描いた世界観を「極北まで高めようと」したけど やっちまったもんはしょうがないじゃん的に開き直りぃ・・・した恐竜のテーマパークが登場ってのには複雑な感情が湧き起こるというもの。映画のラストなんか興奮したけど、興奮なんかしていいのかなあって気がしたよ。昭和東宝ゴジラ第一シリーズの最後は怪獣ランドなんかが登場しミニラが出てくるのを観て当時のお子様はとても切なかったはずなんだけど、ジュラシック・パークを観て育って今回の映画を手掛けることになった30代監督は実に屈託なくラプトルやTレックスを活躍させる。アメリカンの映画ファン⇒映画人てのはとことん「あっけらかーん」なんだなと改めて感心。

 

さよなら、人類 [Blu-ray]

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  「きょう、人類がはじめて~木星についたよぉ♪・・・着いた!」てくらいに辿り着くのに歩いた恵比須ガーデンプレイス。何気なく事前に読んだ観客レビューが悪評でこのような高センス、高スペック、高スノッブ(これを3Sと命名しよう)な場所にある劇場で興行するには不向きな映画なのでは?と疑いながら出かけました。残暑激しい日だったから私の観た回ガラガラだったしね。帰る頃にはすっかりふさいだ気持ちが治ったくらいだからきっとかなり面白かったんと思う(?)・・・だって映画思い出すたびにガーデンプレイス広いし、3Sな客筋の周囲にビビってしまうし(笑)、食事はどこも3Sでお高くて混んでるし。時間もないのでガーデンシネマの小洒落たカップケーキで中途半端に空腹を満たした際の光景が蘇り主人公コンビの表情ともダブってモノ哀しい気分におそわれしまふのでありました。ちなみに映画のラストに登場する「Boiden」のロゴはスウェーデンにある老舗の金属加工企業のやつだそうです。新日鉄みたいなものかね。で、結局恵比須ではロングラン興行、各地ロードショーでも評判良いとの告知が。

 

ナイトクローラー [Blu-ray]

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  オールドファッション!!・・・主人公のフリーター野郎(ジェイク・ジレンホール)を罵るとしたらこう声をかけるしかないってこと。とにかく細見の色白にサングラスと開襟シャツ、好きな車のタイプ、ビジネス・モデルやお金勘定のスケール感、欲情する金髪ギャルのタイプまでが(共演のレネ・ルッソ撮影時ほぼアラ還♡)オールドファッションが過ぎるの。あまりに陰湿でせこくてこんなヤツの最終的に目指す野望がどこにあるんだよお、とイラッとさせられているうちに最後の最後にオールドファッションのダメ押しのようなシーンと決め台詞がキモいですに実に、ご確認あれ。

 

   祝!! 2015年度ラズベリー賞に堂々ノミネートだっ。我が家なんて予告篇観た時から家族三人とも観たくて楽しみに映画館行ったよ。(笑) で、ウチラ夫婦の観終わった感想というのが「慎吾(柳沢)ちゃんはアダム・サンドラ―の声とは合ってないよねぇ」なんだからさ、馬鹿だね(笑)。最近のコメディアンの吹き替えができる声優さんてのは皆早口だからさ、ジム・キャリーやジョニデのおふざけが表現できる人材はごろごろいるけど、アダム・サンドラ―みたく「ドライブ感」で笑わせるタイプとは相性悪いのだ。慎吾ちゃんは貧乏くじ引いて残念。映画観ながら「広川太一郎や羽左間道夫あたりが吹き替えてたら少し違ったかしらん、でもそんな時代じゃないし」とかで頭いっぱいになったよ。(吹き替えに)神谷明が登場するだけで俄然映画が輝きだすような気がついしちゃうしねぇ、だいたい映画じゃなくて延々と吹き替えの話しかできないなんて、さすがはラズベリー賞か?・・・でも実は意外と喜んで観ていたワタクシだったかも。

 

黒衣の刺客 [Blu-ray]

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  スー・チーも巨匠ホウ・シャオシェンも名前と顔はなじみなんだけど、映画観るのは初めてだった。とりあえず今まで観た武侠映画の中ではもっとも自然で荒唐無稽感が無いカンジがしました。もうちょっと観たいんだけどぉ・・・というところで寸止めになるのがお上品さと情緒を感じさせます。妻夫木君は「どうしても遣唐使として出てこなければならないのか?」という疑問を当初抱かせるのですが、きちんとアクションをこなし、元々の身体能力の高さを存分に魅せてくれます、しかも(哀しくなるほど)日本人なの、やっぱり中国人は手足長さをいかし殺陣だけど、日本人はあ・・・なので。スー・チーの師匠にあたる刺客のおばさんが何故だか金色の仮面をかぶっていてまるでシャアのつけているマスクのようでした。コスプレーヤーなら「あんな柔らかいんだか堅いんだか不明な素材ねえよ」と突っ込みたくなる気持ち解かるでしょなシャアのマスクですが、この映画に登場する金のマスクは本当に理想的な素材で驚きました。

 

  なんだかんだ言っても「やってくる巨人を防ぐために壁の穴をふさがなければならない」というために登場人物が皆頑張っている映画なのですよ、あくまでもアクション(行動)こそが主体。そこをしっかり決めているので個々のディテールが活きてくる。2015年に話題になった映画は進撃の巨人に限らず他の映画も同様です、日本でこれほど「映画は活劇である」ことがクローズアップされるなんて本当に久しぶりのことだと思うよっ。前篇から見届けてきた観客はやっぱりマジで怖くてぐったりキテいたので、

「ひょっとして続編やるの~要らなーい」て反応のヒトが多かったようです。(笑)

 

そして次回でやっと秋口から年末の映画の話に・・・

 

 

 

2015年に劇場で観た映画 ②

初夏にかけてヒートアップ!!

 ・・・な映画の公開が相次ぎ、なんかめまぐるしい気がしたものさ。

 

  2015年前半イチの話題作。賛否両論真っ二つで特に音楽関係者ほど煽りに煽った描写に嫌悪感を示した方が多かったようですね。私は「いるいる~こうゆう芸術系の教師(J.K.シモンズ)って・・・プロになりたいと思うならこの手のタイプに闘いを挑むより、まず逃げ出すこと考えた方がいいよぉ」と心の中で叫んでいましたが・・・あんまりこのような「クソ鬼教師」に普通のヒトはあまり出会わないものなのか(笑)。日本にはJ・Kシモンズ先生が割と生息しているからスマッシュヒットに繋がったのだろうと鑑賞直後は感じていたのですが、よく考えてみたらこの映画まるっきり展開が日活100周年邦画クラシック GREAT20 嵐を呼ぶ男 HDリマスター版 [DVD]に近いのね。「セッション」のラスト10数分間が「凄い!」って感動する人の中には「嵐を呼ぶ男」のラストでも「裕ちゃん、アンタいかすぜ♪」て思うタイプのオッサン映画ファンいたりして。ちなみにこの映画(もちろん日活とは全く関係ない)原作がちゃんと存在しているようなんですが・・・

 

  仲良く親子三人で鑑賞。往年のヤクザ映画の香りを多少なりとも感じたい爺さんの中には中学生と言うにはガキ臭いうちの息子を観てあんまりいい顔していなかった(笑)。で、映画なんですけどお子様にも安心して見せられる(モラル的にはいろいろ問題ありですが)アットホームなヤクザ喜劇。滑舌が抜群に良い内田裕也といった感じの品川徹、オイシイんだか悲惨なんだかな役柄の中尾彬、当然の貫禄はもちろんの藤竜也とかね・・・でも今現在特筆すべきなのは絶好調中で老いても益々売れっ子の近藤正臣の抜群な安定感かもしれません。この前(2016年一月時点だよ)朝ドラでお亡くなりなったと思いきや、またNHK大河ドラマに武将で登場だそうな。

 

 

 マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)とほぼ同時期に公開され、「マッドマックス観たい~」と叫ぶ息子の手前もあり何となく自分はチャッピー派でいこう、可愛いの好きだから劇場鑑賞はこっちだけ、などと決めてしまったのでした。だから夏中ネット上で「デスロード祭り」が盛り上がってた時も「チャッピーだって面白かったぞ、あんな健気で頑張ってるのに目立たなくて可哀想チャッピー・・・」と肩入れしてあえて大画面で観てやるもんか「デスロード」と無視しておりましたのさ。でもラストは甘えん坊が過ぎないかねチャッピー、「大好きなママ」と「親友♡」ができていい気になったチャッピーが凶悪化する続編等が登場したらどうしようかと少し心配。(かと言って新たなライバルにいじめられる続編もそれはそれでイヤだ)ヒュー・ジャックマンの悪役が味わい深くてなかなか良かったです。

 

ストレイヤーズ・クロニクル Blu-ray

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  日本映画に限って言えば「2015年一番の問題作」(笑)て言っていいかも。大きな声じゃ言えませんが公開直前(もしくは直後)に新幹線車内で焼身自殺がありまして映画宣伝どころじゃなくなったっつーのがポシャッた最大要因だとは思われます。(鑑賞したら解かるよ)ワーナー&集英社あたりは二匹目の「るろ剣三部作」を手堅く狙いたかっただけなのに少し贅沢をし過ぎたみたいさ、になっちゃったの。でも却って今こそ鑑賞おすすめというか、これは洒落でも皮肉でもなくロマンスがあり余る映画。かの名作サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 上巻 (BIG SPIRITS COMICS)における卓見のひとつ「エスパー漫画は忍者漫画である」の映画版が堪能できます! 昭和30年代の傑作忍者シリーズ忍びの者 [DVD]テイストを彷彿とさせるアクションがぶっ通しで続く前半は役者皆イマドキの線の細い若者たちばっかですが頑張ってます! 一人口から針を吹く変な女の子エスパーが居て「この娘どこで見つけてきたんだろう」と感心しました。あと松岡美優どこに出てきたか分からなくて少し悩みました。翌日まで気が付きませんでした。(笑)

 

  夏休みに入っているしぃ、息子は一人で私の実家に泊まりに行きたいというので「オニのいぬまに」池袋で鑑賞。母親と一緒にやってきて大劇場にてわざわざ前の席に座って観に来た小学生の男の子がいました。恐らくは性格意地っ張りなんでしょう。(笑)ウチの息子なんかアニメ版の予告をYOUTUBEで思わず観てしまってから怖くてしかたがないらしい。それでもがんばって今度DVD借りて絶対に観る!と本人は言っています

 

 

イニシエーション・ラブ DVD

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  コレ観たのは6月のイオンシネマ。数年前やっぱり知人のライターさんがスクリプトの代わり脚色した脚本を読んで原作を知りました。普通に考えると女性目線ではヒロインの行動にどうしても生理的嫌悪感を覚える設定になるのでは?としか当時考えられず「ヒロインが××したのは実をいうと♡なのである」という裏が無ければアリエナイ、という結論に最終的に行き着いた思い出があります。「この娘はサイコだって・・・サイコちゃんの設定にしないと面白くないって!」と件の男性ライターに訴えたところ「いやぁ、俺は小説読んで気持ちよく騙されたいなあと思って書いた」とぬかしやがりました。結局出来上がった映画も「気持ちよく女の子に騙されたい♡」マインドに仕上がってます・・・ちっ!!(怒)。

 

  夏休みのイオンシネマで月曜日に鑑賞。この映画が一番老若男女問わず人気でした。でも少しだけ「だれちゃう」の、息子も自転車長いこと漕いでやってきて母親の付き合いで来たカンジだからポップコーン無くなったら集中力をなくして恥ずかしかった。とはいえ製作側はそこの所十分理解しているので飽きさせない工夫が凄いです。ロッコでやっと一息ついているカフェのシーンがあるのですが、もうトム様の顔がボロボロなの・・・左右歪んじゃって鼻がひしゃげている。レベッカ・ファーガソンも顔が登場時より疲労でむくんじゃっているし、ダイエットしたサイモン・ペグもなんかかさかさしてんの(笑)。で、そんな役者たちの顔を「ドアップで映す」のだよこの監督はさ。そして最後の最後にやっと正調のスパイアクションなんか始めるんで「まだ続くのぉ~」と思った瞬間にあっけなく解決するのでなんかつい「洒落てるね」てうっかり思ってしまうと。私前作のミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]がかなり好きでこれを超えるのは相当に大変だろうなと覚悟して観に行ったんです、同じ監督がやっていると思ったもんで。じゃなくて「ユージュアルサスぺクツ」で有名なクリストファー・マッカリーさんというヒトでした。次はどうも本気でこの方ハリウッド版「宇宙戦艦ヤマト」やるみたいですよぉ。

 

また次回も続きになります。

 

2015年に劇場で観た映画 ①

 

ベスト何とか・・・みたいなのは決めない

 特に今年はそれで行きます・・・おそらく誰もワタクシ的ベストなんてのを気にするとも思えないしね(笑)。今まではベストテンはともかくベストワンぐらいは上げてたのですがとにかく2015年は「イベント」多過ぎで何を基準にベストワン映画を決めていいかがまず難しかった。なにせ「SW(ヤツ)が来る前に」とばかりに各自とっておき企画が前倒し&後ろ倒しに襲撃してきたからなのだ!

 

  いやあ「オバちゃんの口コミ口撃」がすごくて、正月過ぎに行った歌舞伎のお客の中にも「この映画エグかったわよー」とずっとしゃべっているご婦人がいた。で、新春一発目だし・・・と観に行ったのでした。物語にとにかく「船頭」が多いの、女流作家のミステリーだと意外にこの手の物があって従来のハリウッドだったら脇に女性の登場人物が無駄に居るとみなすとバッサリ切っちゃうこともあったんですがね・・・結局のところ「思わせぶりなわりには説明が多い」というものになったカンジ。ワタクシ的にはいつものデビット・フィンチャーだとそうゆう映画であることが普通なので特別にがっかりもしませんでしたが。

 

毛皮のヴィーナス [DVD]

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  いつも平日の初回にしか行けないので年配の男性客が目立つのは当然なのかもしれないのですけど、内容が内容だけにマニアック過ぎるといおうか(笑)同年代の男性の間でも「映画始まって期待外れですぐにがっかり爺さんVS長い前振りで徐々に気分を上げたい老紳士」のバトルが勃発して驚きました・・・さすが巨匠ポランスキー(?)。ワタクシ的にはS男だろうがM男だろうが結局女性にいつも「なんで肝心な所でお前は気が利かないんだ」と愚痴るのは同じではないかと映画観てしみじみ思いました(笑)。ヒロインのエマニュエル・セリエは終始身体をぶるんぶるんさせてたのがいろんな意味を感じさせて好きだった♡

 

  監督がフル・モンティ (字幕版)のプロデュースで有名になったお方と聞いていたのであんな猥雑な世界と今回のミニマムなストーリーと演出のギャップに映画開始後はしばらく戸惑ったのでした。しかし一見、小津チック+Mrビーンのコントかよな序盤から仕事をクビになった主人公が段々じわじわとアクティブになる過程で、熱血ドラマな一面が浮き上がります。主人公は職場から解雇が決まった瞬間から何故だかいろんな食物がもたらされるのが(ミートパイ、青魚、ハーゲンダッツのアイスetc)微笑ましく、感動のラストシーンとともに楽しんでね♡

 

  観る方によってなんか「ざわざわして落ち着かなーい」という気分になりますが、体感という経験をキツイ日々の修練で磨き続けている人間とそうでない人間との差が残酷なまでにきっちり描かれています。内容的にはオスカー獲れるような作品ではないですがノミネートされなければハリウッドが馬鹿にされるというクオリティの映画です。折しも2015年のアカデミーではどんだけLBGTジャンル系が入っていくるかというのが「密かな話題」だとは思うのですが、せめてコレぐらいはゴリゴリでないとハリウッド受けはしないかも。


映画『小さき声のカノン』予告編

 4月に観た日本のドキュメンタリー映画。渋谷のイメージフォーラムで観た時に何故か「母子上映回」ということで小さい子を連れたお母さんが二組ほど来ていました。上映前は小っちゃい子たち不安がって(劇場暗いもんね)いろいろ大声出していましたが映画始まると静かに・・・女性監督本人のナレーションで安心したんですかね。皆良い子たちで終わるまで特に席を立つというコトも無かった。小っちゃい子たちには自分とおんなじような元気な子供しか出てこないのですし。親の立場からするとかなり重たい内容なんだけど・・・。で2017年現在でも各地で上映周ってるそうです。

小さき声のカノンDVD - 鎌仲ひとみ 公式WEBSHOP

 

 

 主人公二人はどちらも名優なんだそうで、丁々発止と重厚な演技が光ります。が、なんせどっちも70代くらいの爺さん同士なんで。設定ではおそらく年寄り見積もりでも50そこそこの将軍役の末っ子が「この前生まれたばっかりの赤ん坊」との台詞には若干(笑)、とはいえそんなチンケな突っ込みは消し飛ぶくらい、サスぺンスフルできちんとした娯楽作品でありました。情報を小出しにするってことは嘘つきとか不誠実とかでは必ずしもないんだよ、てことを学ぶためにはむしろ若いヒトにお奨めするよ。

 

  2015年の日本におけるアカデミー賞映画シーズンは久々の良作ぞろいで楽しかったです。この映画に関しては実はそれほど期待していなかったんだけどね。一見暗いんだけど根は楽天的な人間賛歌っぽい映画なので観た後になんだかホッとします。キツネに包まれたような詐欺にあった気分に陥るのが小洒落ている感があるよね♪

 

なんかいっぱい書いたので今回はここまで。