だって僕らはゲイじゃないんだ③ 「エド・ウッド」 (94)

エド・ウッド [DVD]

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 ちょび髭に「金髪(ブロンド)ギャル」な野郎

 最初「ゲイじゃないんだ映画」のリストには思いつかなかった作品、でも主人公が女装癖で有名だったヒトですもんね。女装は好きだけど恋愛対象としては「心優しい女性」が好きだなんて日本人からみたら単にいつまでたっても子供っぽさの抜けないマザゴンのだめ男ですから、なんだかんだで女性達がエド・ウッドをかまうのも「よくある話」って思うしね。 ティム・バートンを始めタランティーノといったよっぽどエド・ウッドよりは才能ありそうな映画監督たちが本気で彼をリスペクトしているというのも結局なんとなく憎めなくて愛されちゃうキャラにあるのかもしれません。映画の物語もノスタルジックでひたすらハッピー、それでいてどこかヲタク的な狂気があるのがポイント。往年の怪奇役者ベラ・ルゴシの役でマーティン・ランドーがオスカー(助演男優賞)を受賞したせいもあってこれでティム・バートンジョニー・デップの格が上がったような気がする・・・となぜか公開当時思いながら観に行ったものさ。ついでにマーティン・ランドーっていうと私の中では「スパイ大作戦」ていうよりもスペース1999 コレクターズボックス 1stシーズン デジタルニューマスター版 [DVD]のキャプテンなの・・・まだ主題歌も歌えるのよ・・・とことんマイナーなヤツばっかりよく知っているなんて自慢にもならないがっ。

 昔、加藤茶バスター・キートンをリスペクトしているって聞いたことあったような

 って気がするんですけどね、「茶」っていう芸名もキートンから取ったとかなんとか。でもドリフなんてのはそもそもバスター・キートンマルクス兄弟、ジュリー・ルイスのパクリじゃねぇかってマニアックな指摘や、「茶」という芸名も故ハナ肇加藤茶に向かって「お前の名なんて茶でいいんだ茶で!」と勝手につけられたという逸話も聞いているのでもはやよく解かんないのです。・・・ところでどうしてこんな話のフリをしたかというと、エド・ウッドとして女装する際にジョニー・デップは「もう陶酔しきっちゃってルンルン」しているのですが、その御姿がカトちゃんの「ちょっとだけよ」のギャグにしか私には観えなかったからなのさ! 初の監督映画が完成した時なんかエドは「ハ―レムの美女」コスチュームで喜びの踊りに浸ってたりするのですがそれだってまるっきり「タブー」で踊っているカトちゃんそのものです。そしてジョニー・デップといえば「エド・ウッド」の直前に「妹の恋人」という作品でバスター・キートンの物まねが得意な青年の役を演ってたりしてました。なので「加藤茶」=「バスター・キートン」=「ジョニー・デップ」の図式が成立するのでは? て思っちゃった訳。つい、ティム・バートンってゴジラだけじゃなくドリフにも詳しいのかっ? て思ったもんさ。(おそらくそんなことはないだろうが)

 元祖「ブラ男」はおそらく繊細な人間だったと思う

 実際のエド・ウッドは兵役に就いていた際女物のブラとパンツをお揃いで軍服の下に着用していたようです。それだけ聞くとかなりの変態ちっくな感じを受けますが、少し前から日本において席巻し、ほぼ市民権を獲得しつつある「ブラ男」という男性たちは女装に趣味があるというよりも身体を締め付けられると精神的に落ち着くということから女物下着を着用したがるということが学問的にも知られるようになりました。(感覚統合といってなんらかの発達障害からくるストレスを身体への刺激をコントロールすることで和らげるらしい)そうだいたい映画の中のエド・ウッドはひたすら他人に優しいじゃないですか。ジョニデの演技は奇天烈な詐欺師ぽい雰囲気と優し過ぎる性格からついどんな時でも強く言えずにサービスしてしまうところ所を上手に表現していました。マーティン・ランドーのべラ・ルゴシも終始傷つきやすくて優しそうだったしね。
 そーいえばエド・ウッドといえば「グレンとグレンダ」なのですが、女装(そしてエド自身の女性性)の象徴として目立つ小道具がアンゴラの半袖セーターですよね。でもアンゴラのニットなんかシュミーズの上から直に着たら、チクチクしてくすぐったいじゃないかと私なんか思ってしまいます。で、「グレンとグレンダ」と同様アンゴラセーターが重要なアイテムとなっている映画が実を云うと小津映画のあの頃映画 松竹DVDコレクション 「晩春」なのですよ。冒頭笠置衆父と一緒に朝食を食べている娘紀子さん(原節子)がふわふわしたセーターをシュミーズの上から直に着こんでとり澄ましているなんてどっか不穏で事件が起きそうな予感がするシーンではないでしょうかっ。もしも「きっと女のヒトって自分自身の漠然とした不安を少しでも払しょくする為にああいうセーター着たいに違いないんだ」とエド・ウッドも小津も考えていたとしたらコレはかなりヤバいことで史上最低呼ばれる映画と史上名高い傑作と呼ばれる映画との間に映画演出意図において奇跡的に類似点が有りっと決めつけたとすると・・・おそらくいろんなヒトにとっても怒られると思うので止めときます。

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 おかっぱ頭のジョニデを観て「TMレボリューションの西川貴教みたい」と思うならまだしも、「なんでかフラメンコの堺すすむセンセイ」の方を強く思い出してしまう私はかなりのおばさんです。おまけに、ジョニデ社長腹心の社員たちは小っちゃい荒井注がいっぱいいるっだったのに興奮してしまいました。なにせギャグというと頭の中はつい「笑点とかドリフ」の世界が広がっちゃう世代なんでアメリカの喜劇人なんて思いつかなーい。